...宏兒は今度初めて逢うので遠くの方へ突立って真正面からわたしを見ていた...
魯迅 井上紅梅訳 「故郷」
...小浜機が正面からつきかかってきました...
海野十三 「怪塔王」
...矢張りこの作はもう一度ひつくり返して本当に正面から書いて見るべきものではないか...
田山録弥 「雨の日に」
...平生は行ったこともない敷居の高い家の玄関をでもかまわず正面からおとずれて...
寺田寅彦 「自由画稿」
...到底正面から自然の力に立ち向うことは出来ない...
中谷宇吉郎 「農業物理学夜話」
...「だろうた判然しない言葉だ」と主人は何事によらず、正面から、どやし付けないと気がすまない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...「御用ッ」正面から飛付いた一人は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...さういふとき彼の瞳はぼんやり對手の顏を正面から見てゐます...
萩原朔太郎 「ふつくりとした人柄」
...私はさっきの動物が真正面から...
ジョナサン・スイフト Jonathan Swift 原民喜訳 「ガリバー旅行記」
...正面から近づいて行き...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...好みが野卑! だとかなどゝ正面から反撥した自分こそ...
牧野信一 「小川の流れ」
...正面から相手を叩(たた)きつけるか...
松本泰 「謎の街」
...啻に今まで何の徴候も前兆も現われていないばかりでなく今まで人間の観察し得た自然の法則の中の最も恒常的なるものの一つに正面から矛盾する地上における人間の不死に比べれば...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...是(これ)などは正面からその悲惨事を防止しようという前に...
柳田国男 「木綿以前の事」
...おれを正面から相手にしてくれたらどうだい...
山川方夫 「演技の果て」
...真正面から唐竹割りにタッタ一討ち……」「やや...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...正面から真剣に時代の改革者として起(た)たないではいられないであろう...
与謝野晶子 「鏡心灯語 抄」
...正面から見れば、左右の軒の先端へ屋根のはね上りが集中してゐるやうに見える...
和辻哲郎 「西の京の思ひ出」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??