...生活について正直のところ...
竹内浩三 「人生」
...正直のところ、彼女は去年の春も、去々年(おととし)の春も、この花の下に立った時にそう云う感慨に浸ったのであり、そのつど、もう今度こそはこの妹と行を共にする最後であると思ったのに、今年も亦、こうして雪子をこの花の蔭に眺めていられることが不思議でならず、何となく雪子が傷(いた)ましくて、まともにその顔を見るに堪えない気がするのであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...が、今も云うようにそれは全く咄嗟の感じで、正直のところ、そのせいせいした心持が続いたのは、一時間ぐらいなものだったでしょう...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...正直のところ、リリーが昔を忘れてしまって現状に満足していられても、矢張腹が立つであろうし、そうかと云(い)って、虐待(ぎゃくたい)されていたり死んでいたりしたのでは尚悲しいし、孰方(どっち)にしても気が晴れることはないのだから、いっそ何も聞かない方がいいかも知れない...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...「だが正直のところ...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「株式仲買人」
...實もって正直のところ...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...自重(じちょう)してくれ給えよ……しかし、宇津木、それはどうあろうとも、正直のところは、拙者は君を敵に持つことを怖れているのだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...「夜警」の製作にはそういったいきさつがあったことを思うと、私も多くの鑑賞家と共に口を揃えて「夜警」礼讃をしたくなるような気持もあるが、正直のところ、私には此の画のよさがよくわからないのである...
野上豊一郎 「レンブラントの国」
...正直のところ喉から手が出るほど欲しかったよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...まだ小判といふものをうんと持つてゐるから、旅籠賃の心配はさせねえ」平次はそんな事を言つてカラカラと笑ひますが、盜られた財布の中味は、正直のところ、路用から湯治(たうぢ)の雜用を併せて三兩二分ばかり、あとに殘つたのは、煙草入に女房のお靜が入れてくれた、たしなみの小粒(こつぶ)が三つだけです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...正直のところが――...
正岡容 「わが寄席青春録」
...これだけ私は気にかけて――正直のところ...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...正直のところ、それは過ぎ去つてしまつたら、實になんでも無い事でした...
三好十郎 「肌の匂い」
...まったく正直のところ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...正直のところ自然万物の理法の上から...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...(a)まったく正直のところ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...それに正直のところ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...その時に私(あっし)が警察へ呼ばれまして正直のところを申立てましたら...
夢野久作 「悪魔祈祷書」
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