...正直なところ、巴里仕立の美術家にしては、岩村男は全く画(ゑ)が下手だつた...
薄田泣菫 「茶話」
...一圓より上? 下?」「判らんですねえ」と三藏は更に標準が立たぬので正直なところを言ふ...
高濱虚子 「俳諧師」
...彼女が始めて由比(ゆい)ヶ浜(はま)の海水浴場へ出かけて行って、前の晩にわざわざ銀座で買って来た、濃い緑色の海水帽と海水服とを肌身に着けて現れたとき、正直なところ、私はどんなに彼女の四肢の整っていることを喜んだでしょう...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...正直なところ私には何が何んだかさっぱり分りません...
コナンドイル Conan Doyle 三上於莵吉訳 「白銀の失踪」
...正直なところ、諸君、わたしはずいぶん苦しんだ...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...だから正直なところ...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...その辺の正直なところを聞かして頂戴よ――」兵馬は呆れ果てて...
中里介山 「大菩薩峠」
...蝙蝠とたった二人限(ふたりぎり)だったら――正直なところ降参する...
夏目漱石 「坑夫」
...正直なところ、その件であっしは二進も三進も行かなくなっているンです...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...正直なところを言えば...
久生十蘭 「湖畔」
...それに、正直なところ、王様はもう逃げたことになっている...
久生十蘭 「魔都」
...いや、正直なところ、この物語の作者には、そんなことはいっこう興味がないのである...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...つまりさ、取り返した上に、正直なところ、今頃はきっと、三万ルーブリぐらいはこの紙入(かみいれ)へねじこんでいたんだがなあ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...「正直なところ、どうもそんな風には思われないんですがねえ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...こういう無邪気さは笑うけれど腹も立つわね、正直なところ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...「だが正直なところ...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...正直なところを云うと吾輩は人間がイヤになったのだ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...どこかに人間の正直なところが出てしまいましょう...
吉川英治 「上杉謙信」
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