...實に正直なところではないかといふことを勇に説明し...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...正直なところ、わが国民は某大国のこの好意に面喰(めんくら)った...
海野十三 「東京要塞」
...正直なところを白状すれば...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...正直なところそれは義理堅いと云うよりも寧ろ極端な我がままと潔癖なのだと...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...彼女が始めて由比(ゆい)ヶ浜(はま)の海水浴場へ出かけて行って、前の晩にわざわざ銀座で買って来た、濃い緑色の海水帽と海水服とを肌身に着けて現れたとき、正直なところ、私はどんなに彼女の四肢の整っていることを喜んだでしょう...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...正直なところを言えば...
中島敦 「悟浄歎異」
...「正直なところ姉さんは兄さんが好きなんですか...
夏目漱石 「行人」
...盛岡の鰻も、正直なところ、東京以上とは申しかねるが、それほど番付が下だとは思わない...
野村胡堂 「胡堂百話」
...三河町の親分は内儀を下手人にして縛つたと聞いたが――」平次は正直なところをブチまけました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...正直なところ、その件であっしは二進も三進も行かなくなっているンです...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...正直なところミッドウェーの海戦で日本の軍艦が半分沈んでしまったんだってね...
久生十蘭 「だいこん」
...正直なところは自分のため……生れた国の象徴を持ち...
久生十蘭 「だいこん」
...なにしろ、あてのないことだから」「こんどの行程は、前もって計画されたのですか」「南極については、正直なところ、われわれはなにも知らなかった...
久生十蘭 「南極記」
...ところで、もう一つ、こんなことを指摘するのも妨げにはなるまい、つまりマニーロワ夫人は……だが、正直なところ、どうも御婦人がたについてかれこれ申しあげるのは甚だもって心許(こころもと)無い次第で、それに、もうそろそろ我々の主人公たちのことに戻らなければなるまい、というのは、もう二三分の間、二人は客間の扉口の前に立ったまま、互いに先を譲りあっているからである...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...「それに、正直なところ、あんまり得になることでもごわせんしね...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...骨だった肩にちっとも似合わない白っぽいお召を着て、しみじみ自分の手の甲をさすりながら、「正直なところ、ああいうところへ入れられると赤くならずにいられやしませんね...
宮本百合子 「刻々」
...正直なところ、今もやっぱり私には、あなたがあれ程の顔をなさるのが、何か唐突なのですが...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...このような場所でこのようなものが生成した理由を説明することは正直なところ私の手に余り...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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