...雨が小止みになったのを幸ひ...
池宮城積宝 「奥間巡査」
...櫓の下より東に向いて、数十丈の嶮崖を下らねばならぬ、ここが第一の難関、相悪(あいに)く大降り、おまけに、横尾谷から驀然(ばくぜん)吹き上ぐる濃霧で、足懸(あしがか)りさえ見定めかね、暫時茫然として、雨霧の鎮(しず)まるを俟(ま)てども、止みそうもない、時に四時三十分...
鵜殿正雄 「穂高岳槍ヶ岳縦走記」
...山神その傘をさすより早く、雨は止みて、傘が却つて手荷物となりたり...
大町桂月 「越ヶ谷の半日」
...目ざしたる處に達せずして止みたることなし...
大町桂月 「鹽原新七不思議」
...そして止みさうもないので...
種田山頭火 「行乞記」
...魂をゆすぶるやうな大きな小止みのない風だつた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...そして歩みもまた止みました...
チェスタートン 直木三十五訳 「金の十字架の呪い」
...それらのことがいつしか止み...
豊島与志雄 「同胞」
...小止みもなく響いて来るのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...」声は止み、側にいたらしい何者かが彼の許を去った...
H・ビーム・パイパー H. Beam Piper The Creative CAT 訳 「最愛の君」
...利根の河原をひとり歩きて磊落と河原を行けば草雲雀わが幻想の都市は空にあり虹立つや人馬賑ふ空の上隱遁の情止みがたく...
萩原朔太郎 「俳句」
...沙汰止みになってしまった...
長谷川時雨 「渡りきらぬ橋」
...ぴたりと会話が止み...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...小止みない竹の葉擦れとともに...
正岡容 「小説 圓朝」
...世の人の御身を笑ふことは止み申すべく候...
アルツウル・シユニツツレル Arthur Schnitzler 森林太郎訳 「アンドレアス・タアマイエルが遺書」
...奥歯のかちかち触れ合うのが止みません……何という惨(むご)たらしい出来ごとでしょう...
山下利三郎 「流転」
...柳営(りゅうえい)のみでなく市井のうちでもよく聞くから、専ら評判でございましたが、ほどなく阿部豊後守(あべぶんごのかみ)が実相をただされて、さる事実なしと、明らかにされたため、いつか、うわさも止み、お変りのない体(てい)を眼(ま)のあたりに拝し、内心、驚愕した者もありましょうが、また、歓んだひとも多くございましょう...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...以て止(や)む可くんば則ち止み...
和辻哲郎 「孔子」
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