...また立ちかへる水無月(みなづき)の歎きをたれにかたるべき...
芥川龍之介 「沙羅の花」
...御歎きなさるのもごもっともです...
芥川龍之介 「俊寛」
...「クリツプン事件」も「小さい王国」も「人魚の歎き」も材料の上では決して不足を感じないものである...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...道貞殿を戀ふる心が恨み歎きの道を通り拔けて...
今井邦子 「誠心院の一夜」
...わが身の現在のあさましさを歎き...
太宰治 「新釈諸国噺」
...苦しむものよ、その苦みを去れ、歎くものよ、その歎きを去れ、悲しむもの、その悲しみを去れ...
田山録弥 「墓の上に墓」
...深い歎きのうちにも...
野村胡堂 「悪魔の顔」
...二十歳島田(はたちしまだ)の歎きを見たお勇が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お半は驚きも歎きもしなかったのは変じゃないか」「なるほどね」感心した所で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...家の中をば廣き野原と見て行く方なき歎きに人の袖をもしぼらせぬ...
樋口一葉 「うつせみ」
...まわりの葦にひびいて夢の歎きの様な好い音を出す...
宮本百合子 「葦笛(一幕)」
...歎きとその本質は一つもちがうところのない恐慌が...
宮本百合子 「権力の悲劇」
...私はこの家でない所へ当分行っていたい」こう歎きながら言うのであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...始終お逢いできぬ歎きがこうさせておしまいになり...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...手に薙刀を持ちなされたまま……母御前かならず強く歎きなされな……獣に追われて殺されつろう...
山田美妙 「武蔵野」
...身も世もあられぬ歎きの声であった...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...……金丸長者様の御歎きは申すまでも御座いませぬ...
夢野久作 「名娼満月」
...その音のうちには人生の儚(はか)なさだの、煩悩(ぼんのう)だの、愚痴(ぐち)だの、歎きだのが、纒綿(てんめん)とこぐらかっているように聞えた...
吉川英治 「親鸞」
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