...歌論は歌論へ、秋月は歌心へ、帰り行く友を送ってそこらまでの心算(つもり)がやがて博多の街つづきである箱崎になんなんとする地蔵松原――二里余もつづく千代の松原の一部、ここには米一丸の墓があって、人魂が飛ぶと云われた淋しいあたり、鉄道自殺と云えば地蔵松原を連想する程で、久作さんの『宙を飛ぶパラソル』はこのあたりでの出来ごとである――の果て近くまで論じ来り、遂いに淋しい松根に御輿をすえてしまい、秋月すでに帰り、太陽は名代の顔にしまを作ったと云う事である...
青柳喜兵衛 「夢の如く出現した彼」
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高浜虚子 「五百句」
...詩心(或ひは歌心と云つてもよい)の容器である...
中原中也 「詩と其の伝統」
...詩・歌心から生じ得る感情は人間の心の感情を網羅している...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...艶(えん)にもうつくしきかなとひとりごちつつそぞろに物語の昔などしぬばるるにつけてあやしくも歌心なん催されける...
正岡子規 「墨汁一滴」
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正岡子規 「墨汁一滴」
...『集団行進』の中に辛うじて二人の先達(せんだつ)を送った婦人の大衆はまだまだ「やさしい婦人の歌心」という程度のところに引止められていて...
宮本百合子 「歌集『集団行進』に寄せて」
...年をとった女に歌心...
宮本百合子 「金色の秋の暮」
...あの多感の歌心を雪の孤独に埋没しなければならぬような運命は...
柳田国男 「雪国の春」
...歌心は有りたく思う」「歌心と仰せられますと」「さて...
吉川英治 「上杉謙信」
...なかなかその心機を転じることが、われらには難(むずか)しゅうござりまする」「されば、凡夫(ぼんぷ)われらには、暁(あ)けては、兵馬を見、燈(とも)しては書に親しみ、血腥(ちなまぐさ)い中にあるほど、歌心も、欲しいとするのじゃ...
吉川英治 「上杉謙信」
...玄蕃允の荒胆(あらぎも)にも月花の風流ならぬ歌心が...
吉川英治 「新書太閤記」
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