...子供欺し位にしか思はれないのでございませう...
芥川龍之介 「地獄変」
...其或者は眼と血とに欺かれたる抱擁の熱の次第に醒めて行く淋しさに始めて其前半身に對する切なる憧憬を感ずる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...云って狸を欺して袋に入れ...
田中貢太郎 「鷲」
...己は狐に欺されているんだと云う考えがふいと起ることがあって...
谷崎潤一郎 「紀伊国狐憑漆掻語」
...己は欺かれて居たのだ...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...私を欺くことに自己の全力を傾けたと假定しよう...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...天を欺きかつみずから欺くなり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...時の有名なる新聞記者岸田吟香氏を欺き出版せしめたことがある...
内藤湖南 「日本文化とは何ぞや(其一)」
...しかし偉大なる欺瞞(ぎまん)者があって常に私を欺いているのでもなかろうか...
西田幾多郎 「デカルト哲学について」
...それは詐欺師であるか狂人であるかの一つである...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...昔の先生を「老いたる詐欺師」と罵つたところで...
萩原朔太郎 「ニイチェに就いての雑感」
...……はじめは冗談か詐欺かと思った...
久生十蘭 「金狼」
...「多数人の幸福のために一人の生命を奪うことは許さるべきであるか、これ、ドストエフスキーが、『罪と罰』の主人公を通して我らに投げ与えた疑問である……」という冒頭で、彼はラスコリニコーフの殺人を弁護し、彼の唯一の欠点は、非道なる金貸婆を殺したにとどまらずして、罪のないその妹をも事のついでに殺してしまった点だけであると論じ、さらに、今日の刑法に死刑が認められてあることは、彼の主張の正しいことを意味するものであると述べ、最後に、法律を以(もっ)て罰することのできないような罪人、善良な人々を苦しめ、婦女子の貞操を蹂躙し、詐欺、賭博、泥棒をもって渡世とするような人間は法をまたずして制裁を加えるのが当然であると結んでいる...
平林初之輔 「誰が何故彼を殺したか」
...我は戦場で敵と組み合って討ち死にしたとでも皆に欺き言い触らすことであろう...
藤野古白 藤井英男訳 「戦争」
...おそろしくお勢に欺(あざむ)かれたような心地がして...
二葉亭四迷 「浮雲」
...随分ばかげたことですが私は魔法使ひの悪婆がこんなものに化けて二人を欺さうとしてゐるのではないかと心配し始めました...
牧野信一 「嘆きの孔雀」
...バルヂピエロ翁は真に吾を欺かない...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「復讐」
...恐ろしき欺罔(ゲレン)の魔道に迷ひ入り...
夢野久作 「白くれない」
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