...国木田独歩を模倣した彼の「自ら欺かざるの記」はその黄ばんだ罫紙の一枚にかう言ふ一節を残してゐる...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...口上(くちさき)で欺騙(ごま)かして廉(やす)く仕入れたいかさまものをドシ/\売附けて了うのだ...
内田魯庵 「犬物語」
...欺されたんだ、欺されたんだ、ああ遂々欺されちゃったんだ...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「情鬼」
...其後とで東京から參つた御方に見せたり田中正造なども波が荒いと云つて欺された...
田中正造 「土地兼併の罪惡」
...あれは夫を欺くための拵えごとであった...
谷崎潤一郎 「鍵」
...自己を欺くことにかけての自分たちのそれぞれの技巧と能力とに応じて...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...欺瞞者であることと相容れないところの神を...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
... 135はじめ我身を欺きしアテーを忘れ得ざりけり...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...自分で自分を縛りつけて安心するたぐいの欺瞞的心理に由るものだと...
豊島与志雄 「自由人」
...もう欺かるることはないです...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...それは(月丸様が、同志の名を聞いた――疑えば――妾を、欺して――)と、語っていた...
直木三十五 「南国太平記」
...その偽物に欺かれるものが意外に多いです...
中里介山 「大菩薩峠」
...欺こうとしていた私の方が...
堀辰雄 「麦藁帽子」
...そこにはわざわざ彼らを欺くほどの利益はないのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...私は貴女(あなた)が本当に欺されておいでになるから……笑いました...
夢野久作 「暗黒公使」
...まるで芸術表現の詐欺取財だ...
夢野久作 「能ぎらい/能好き/能という名前」
...「爾は我を欺(あざむ)いた...
横光利一 「日輪」
...それがしはまだあなたを欺いたことなど一度もないつもりですが」「――ならば...
吉川英治 「三国志」
便利!手書き漢字入力検索