...懐手をした儘耳を欹(そばだ)てて見たが...
石川啄木 「病院の窓」
...まともな人間の住んでいられるところじゃない」魔性の者? 横で聞き耳を欹(そばだ)てていた春部は...
海野十三 「千早館の迷路」
...人声(ひとごえ)がするので此方(こなた)を見(み)て耳(みみ)を欹(そばだ)てている...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...兵員たちも耳を欹(そばだ)てて...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...たしかに宮の足音がきこえた――』『………』また二人は默つて耳を欹てた...
田山花袋 「道綱の母」
...勿論此れとても句の裏面には殘燈の下に枕を欹てゝ居る作者の居室の光景の潜在像は現在して居て...
寺田寅彦 「天文と俳句」
...徳川幕府は既にピサ倒塔の如くに傾欹(けいい)せり...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...寝られぬままに耳を欹(そばだて)ると...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...八五郎はゾツとして枕を欹(そばだ)てました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...耳を欹(そばだ)てたり...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...なおも息をつまらせて耳を欹(そばだ)てていた...
堀辰雄 「姨捨」
...少女驚いて耳を欹(そばだ)つればをかしや檐頭(えんとう)の鸚鵡(おうむ)永日に倦(う)んでこの戯(たわむれ)を為すなり...
正岡子規 「俳諧大要」
...どんなに耳を欹てゝも...
水野仙子 「道」
...そうして刻限(とき)をきざむ音にちいさい耳を欹(そばだ)てた...
室生犀星 「後の日の童子」
...欹枕算鐘声...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...耳を欹(そばだ)てながら...
吉川英治 「篝火の女」
...義朝殿とのあいだに生(な)した子か」などと聞き耳を欹(そばだ)てた...
吉川英治 「源頼朝」
...一寸(ちょっと)彼の眼を欹(そばだ)たせた...
蘭郁二郎 「鱗粉」
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