...春琴は常に我が居間の床脇(とこわき)の窓の所にこの箱を据(す)えて聴(き)き入り天鼓の美しい声が囀(さえず)る時は機嫌(きげん)がよかった故に奉公人共は精々水をかけてやり啼かせるようにした大抵快晴の日の方がよく啼くので天気の悪い日は従って春琴も気むずかしくなった天鼓の啼くのは冬の末より春にかけてが最も頻繁(ひんぱん)で夏に至ると追い追い回数が少くなり春琴も次第に鬱々(うつうつ)とする日が多かった...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...次々に心に描(えが)き出した...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...次から次へと現われてきた...
豊島与志雄 「都会の幽気」
...花の美しさをも感じられるやうになつた次第である...
中原中也 「詩壇への抱負」
...実は彼が今次の大戦争に及ぼした影響と云ひたいのであるが...
夏目漱石 「点頭録」
...思いもよらぬ光明が見出されるか知れません」千種十次郎を見た刹那は...
野村胡堂 「女記者の役割」
...それもこれも宗次郎さんの身を立てる爲と思つて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「二度目の主人の徳次郎を殺したとは言わない...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――が」紋次郎を縛つて縮尻(しくじ)つた金六の面目はどうなるでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...行儀の良いところがあるんだよ」平次は面白そうに笑っているのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...平次は改めてお菊の前へ――精一杯さり気ない顔で立ちました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...遠慮なく洗ひ出して見てくれ」四ツ谷の與吉はすつかり興奮して、事と次第では、法印無道軒を引つ括(くゝ)りさうにするのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...次の間に寝て居る妹と...
正岡子規 「九月十四日の朝」
...どうして親方やおかみさんをあのままにしておくんですか」茂次は「そのことは云うな」と云いながら...
山本周五郎 「ちいさこべ」
...」「安次、行くぞ...
横光利一 「南北」
...次郎は事もなげに笑いました...
吉川英治 「江戸三国志」
...蛾次郎(がじろう)は...
吉川英治 「神州天馬侠」
...「言語道断な奴めが」「お場所がらをわきまえぬか」と、叱咤(しった)して、「こりゃ平次、いつもの仕事場とはちがうぞ、ゆるし難い狼藉(ろうぜき)、きょうこそ、その素(そ)っ首を打ち落してやるから立てっ」襟(えり)がみを引摺(ひきず)ると、平次郎はもう痩せ犬のように身を縮めているだけだった...
吉川英治 「親鸞」
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