...――年少時代の憂欝(ゆううつ)は全宇宙に対する驕慢(きょうまん)である...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...絶えず曳網から雄大な景色――水ぎわから頂上まで欝蒼たる樹木に被われた高い丘にかこまれた長い入江...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...あんまり憂欝だから二三杯ひつかける...
種田山頭火 「行乞記」
...自己省察、身辺整理、清濁明暗、沈欝...
種田山頭火 「其中日記」
...堪へがたい憂欝に堪へてゐるところへ...
種田山頭火 「其中日記」
...憂欝たへがたくなつた...
種田山頭火 「旅日記」
...だん/\憂欝になる...
種田山頭火 「旅日記」
...欝々心蝕(むしば)めて思空しく戰鬪に...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...憂欝な私の頭脳(あたま)を爽(さはや)かにした...
徳田秋声 「町の踊り場」
...美津子も憂欝な眼色になった...
豊島与志雄 「春盲」
...したがって余にはドストイェフスキーの受けたような憂欝性(ゆううつせい)の反動が来なかった...
夏目漱石 「思い出す事など」
...欝金(うこん)の蔽(おい)が春を隠さず明らかである...
夏目漱石 「虞美人草」
...そうして非常に欝陶(うっとう)しい感じを起した...
夏目漱石 「行人」
...専造は憂欝になつた...
林芙美子 「愛する人達」
...四囲は稀(まれ)な巨木の常緑濶葉樹が欝蒼(うつさう)として繁つてゐる...
林芙美子 「浮雲」
...十年がけの手紙というのを欝陶(うっとう)しがって...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...俺は欝然としてもう一家をなした...
平出修 「瘢痕」
...陰欝な正面扉など...
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」
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