...愈(いよいよ)憂欝にならずにはゐられなかつた...
芥川龍之介 「歯車」
...寺を囲んで蓊欝(こんもり)とした杉の木立の上には...
石川啄木 「鳥影」
...花屋は欝金草の鉢をいくつも抱(かか)へて會釋(ゑしやく)しながら博學の君の讀書を妨げて眞に相濟まずといふ...
ルイ・ベルトラン Louis Bertrand 上田敏訳 「欝金草賣」
...天願氏は極端に憂欝そうな表情をして壁に倚(よ)りかかり...
梅崎春生 「風宴」
...欝陵島から根室までは...
大阪圭吉 「動かぬ鯨群」
...季節の焦燥、人間の憂欝、私の彷徨...
種田山頭火 「其中日記」
...間もなく曇つて陰欝で...
種田山頭火 「其中日記」
...憂欝狂(ゆううつきょう)と云う訳でもなく...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...欝々(うつうつ)とした熊野(くまの)の山が胸に一物(いちもつ)を蔵(かく)して黙(もく)して居る処...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...彼等から来る陰欝なる影と腐爛の空気とは...
豊島与志雄 「意欲の窒息」
...彼は唇を噛みしめながら枯れはてた樫と叢と芝生と陰欝な空との画面を眺めた...
豊島与志雄 「二つの途」
...陰欝(いんうつ)な彼の調子は...
夏目漱石 「行人」
...さして欝陶(うつたう)しい悲歎の色もありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...フイゴの筒のやうに憂欝さうに口を突(とが)らせ...
牧野信一 「城ヶ島の春」
...「欝金(うこん)しやつぽのカンカラカンのカアン...
宮沢賢治 「かしはばやしの夜」
...憂欝...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
...菊千代は欝陶しいような...
山本周五郎 「菊千代抄」
...陰欝な口の辺に生々しく這う線に不気味な凄惨な悦びを味い...
渡辺温 「絵姿」
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