...広い部屋はその為に一層憂欝に見えるらしかつた...
芥川龍之介 「或阿呆の一生」
...憂欝(ゆううつ)等の非難を加える事と思えばよろしい...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...「お前の座敷の横手にあるはしごを持つて來ないか――如何にも欝陶しくなつたからこんな木の枝葉を刈つて...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...五 『浮雲』時代の失意煩悶『浮雲』著作当時の二葉亭は覇気(はき)欝勃(うつぼつ)として...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...何か非常に憂欝(ゆううつ)な様子だったというのです...
江戸川乱歩 「妻に失恋した男」
...これらの憂欝を流し込むところは彼には結局女色より他になく...
武田麟太郎 「日本三文オペラ」
...もし欝陶(うっとう)しいのが嫌でなけりゃ...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「嬰寧」
...あるけばよろしい落葉かな(松)・どうにかならない人間があつい湯のなか(松)・ことしもをはりの憂欝のひげを剃る・藪かげあたゝかな鶲(ヒンコチ)の啼きよる・うめくは豚の餓えてゐる...
種田山頭火 「其中日記」
...それに気が欝いでたへきれなくなつた...
種田山頭火 「其中日記」
...何といふ憂欝、歩く外ない...
種田山頭火 「旅日記」
......
種田山頭火 「旅日記」
...一つの欝憤晴らしだったのだろう...
豊島与志雄 「新妻の手記」
...憂欝な退屈な重みとなって私自身の心のうちに返ってきた...
豊島与志雄 「微笑」
...棗(なつめ)などの果樹が欝然(うつぜん)と生茂(おいしげ)り...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...陰欝(いんうつ)な彼の調子は...
夏目漱石 「行人」
...世にいふ氣欝(きうつ)の嵩(かう)じた症状だつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...陰欝といえば、この物語を書いた作者が発狂して、死んで行ったということも、ゴーゴリの場合よりも、もっと凄惨な感じがします...
ジョナサン・スイフト Jonathan Swift 原民喜訳 「ガリバー旅行記」
...築山の向うはもう天然の山で峻しい坂に欝蒼と樹木が茂り...
若山牧水 「樹木とその葉」
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