...また知らず日に夜(よ)をつぎて溝(みぞ)のうち泥土(どろつち)の底欝憂の網に待つもの久方(ひさかた)の光に飛ぶを...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...ヘルチェンやビェリンスキーの自由思想に傾倒して意気欝勃(うつぼつ)としていたから...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...欝然としてコップ酒を傾けていた...
梅崎春生 「狂い凧」
...陰欝な表情のまま...
梅崎春生 「桜島」
...性格も陰欝で厭人的(えんじんてき)で...
江戸川乱歩 「悪霊」
...古檜老杉欝として...
大町桂月 「金華山」
...家の内は青木さんを陰欝な色をして受取つた...
鈴木三重吉 「桑の実」
...――昨夜の事を考へると憂欝になる...
種田山頭火 「行乞記」
...一人となればまた沈欝な一夜...
種田山頭火 「其中日記」
...彼等から来る陰欝なる影と腐爛の空気とは...
豊島与志雄 「意欲の窒息」
...けれどそれも遂に徒らな空望であることを感じて私は益々倦怠と憂欝とに囚えられてしまった...
豊島与志雄 「微笑」
...憂欝な自由主義者たるだけでは足りないだろう...
豊島与志雄 「文学の曇天」
...ことに有名な紀三井寺(きみいでら)を蓊欝(こんもり)した木立(こだち)の中に遠く望む事ができた...
夏目漱石 「行人」
...重く頭にかぶさつて來た憂欝さを遁れるやうに足を急がせた...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
...フッと憂欝になりました...
林芙美子 「清修館挿話」
...かうした新らしい局面が此の四五日来の彼の気欝をどのやうに軽くしたか...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...何しろ其頃六十歳を越えていた教授の青年時代の建築なのですべて古びて壁も板も黒ずみ陰欝である...
森於菟 「屍体異変」
...我も横穴の悒欝を思ふ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
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