...栗鼠(りす)の鳴く声が山毛欅(ぶな)や胡桃(くるみ)の林から聞えてくるし...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「スリーピー・ホローの伝説」
...たまたま欝蒼(うっそう)たる欅(けやき)の大木にグルッと取巻かれた地内に建っている非常に背の高い頑丈な鉄の檻(おり)を発見したが...
海野十三 「地球盗難」
...「それは大丈夫か」「果して倒れるか」「出力が大きすぎて山毛欅がぶうんと飛んできて大学の建築物を壊すようなことはないか」などの声あり...
海野十三 「諜報中継局」
...欅の若芽の黄に近い色が捺すように印せられているさまは実に感じが好い...
田山花袋 「新茶のかおり」
...よく水をくれてやった鉢植えの柘榴(ざくろ)や欅(けやき)の姿(なり)づくった梢(こずえ)にも...
徳田秋声 「爛」
...但先月の嵐が累(るい)をなしたのか、庭園の百日紅、桜、梅、沙羅双樹(さらそうじゅ)、桃、李、白樺、欅、厚朴(ほう)、木蓮の類の落葉樹は、大抵葉を振うて裸になり、柿やトキワカエデの木の下には、美しい濶(ひろ)い落葉(おちば)が落葉の上に重(かさ)なって厚い茵(しとね)を敷いて居る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...もう冬と言ってもよいくらいですから欅の紅葉は...
中里介山 「大菩薩峠」
...頑丈な板仕切の上のこれも欅(けやき)の一枚板に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...猛然と竹だの欅の樹などに打っ衝かり...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...大きな欅(けやき)の樹のある...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...あるものは欅の枝に泊り啼きをつづけてゐた...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...奥庭を覆うている欅(けやき)の新しい若葉の影が...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...幾度となく仰いだ眼の前の欅の大樹をこのときも自然に仰ぎ...
横光利一 「旅愁」
...」と欅は一言いって暫く黙っていたようだったが...
横光利一 「旅愁」
...」塩野はちょっと眼の色を変え欅を仰いでいてから...
横光利一 「旅愁」
...大きな欅の角火鉢の据ゑてある前へ膝をおろした...
吉江喬松 「伊良湖の旅」
...應接の隣りの書庫のやうなところへ欅戸をガラツとあけて入られた...
吉川英治 「折々の記」
...大工に大きな欅(けやき)の板を削(けず)らせ...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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