...人通りの多い往来は相変わらず毛生欅(ぶな)の並み木のかげにいろいろの店を並べています...
芥川龍之介 「河童」
...欅が経をよむとはいかにも不審なることぞと寄り集まり...
井上円了 「おばけの正体」
...山毛欅(ぶな)の大木に絡(から)む藤蔓(ふじづる)...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...大欅の竝木は、東京に、その類なき奇觀なるが、餓鬼道の亡者には、名物の燒鳥あるべし...
大町桂月 「飛鳥山遠足」
...打ち晴れし神田祭(かんだまつり)の夜空かな年々に欅(けやき)の太る飼家(かいや)かな五月十五日 大崎句会...
高浜虚子 「六百句」
...てらてら黒光りのする欅(けやき)普請の長い廊下をこわごわお厠(かわや)のほうへ...
太宰治 「葉」
...凱旋のをり御礼参りをして欅の苗千株を植ゑた...
中勘助 「府中のけやき」
...猛然と竹だの欅の樹などに打っ衝かり...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...女の頼み水際に倒れていたひと抱えほどある欅の朽木を流れの中へ押し落すと...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...欅(けやき)の大掛矢を振い勝手口の階段の横について...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...欅皆新詩社をめがけて散つたのであらう...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...数本の山毛欅(ぶな)を背にしながら...
堀辰雄 「美しい村」
...雑木林では欅だの楓だののいろんな樹木が...
「朝の風」
...増上寺の山内の欅(けやき)へ登って...
山本周五郎 「花も刀も」
...この欅の門扉に厳しく顕われ出ている家風だと思った...
横光利一 「旅愁」
...應接の隣りの書庫のやうなところへ欅戸をガラツとあけて入られた...
吉川英治 「折々の記」
...これは楢でこれが山毛欅(ぶな)だと平常から見知つてゐる筈の樹木を指されても到底信ずることの出來ぬほど...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...中でも山毛欅が最も多く...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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