...鰹舟(かつおぶね)の櫓拍子(ろびょうし)が仄(ほの)かに聞こえる...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...鰹舟(かつをぶね)の櫓拍子が仄かに聞こえる...
徳冨蘆花 「熊の足跡」
...櫓拍子(ろびょうし)の音が...
中里介山 「大菩薩峠」
...「マドロスさあーん」舟の櫓拍子は相変らず聞えるけれども...
中里介山 「大菩薩峠」
...勢いよく、小舟の櫓(ろ)を押しきっている宇治山田の米友は、櫓拍子につれて、十七姫御が旅に立つそれを殿御が聞きつけてとまれとまれと……思わず知らず、うたい慣れた鼻唄が鼻の先へ出たのですが、何としたものか、急に、ぷっつりと鼻唄を断ち切った時、そのグロテスクの面に、一脈の悲愴きわまりなき表情が浮びました...
中里介山 「大菩薩峠」
...やがて櫓拍子は荒らかに一転換を試みて...
中里介山 「大菩薩峠」
...櫓拍子もまた荒くなるのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...櫓拍子のリズムも...
中里介山 「大菩薩峠」
...櫓拍子が荒れるし...
中里介山 「大菩薩峠」
...最初に、十七姫御が……と言って、古城の岸から漕ぎ出された時は、漕ぎ出されたというよりも寧(むし)ろ、辷(すべ)り出したような滑らかさで、櫓拍子もいと穏かなものでありましたのに、この鼻唄が半ば過ぎると急に、序破急が乱れ出し、唄が変ると共に呼吸が荒くなり、櫓拍子がかわり、舟が動揺し出しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...どうしてあんなに壊れたでしょう、あれほど泰平雍和(ようわ)の調子が、途中で破れると、すべてが一変してしまいました、あなたの唄が変り、櫓拍子が変り、呼吸が変り、従って舟の動揺が全く変ってしまったのには、わたくしは驚いてしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...いささか櫓拍子をゆるめた宇治山田の米友は...
中里介山 「大菩薩峠」
...それを乗せて往く大きな船も櫓拍子(ろびょうし)のするたびに狭霧(さぎり)の中に蔽(おお)われてしまう,ああ船は遠ざかるか...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...颯(さっ)! 颯! 颯! 二十四挺(ちょう)の櫓拍子(ろびょうし)が...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...のどかな音頭に櫓拍子(ろびょうし)の声――そして朗らかにあわせるお国口調(くにくちょう)のお船歌(ふなうた)が...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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