...家の檐(のき)にいで家僕(しもべ)が雪をほらんとてうちおきたる木鋤(こすき)をとり...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...檐(のき)は朽ち柱は傾き...
高山樗牛 「瀧口入道」
...檐(のき)の低い家の立ち並んだ町を...
徳田秋声 「黴」
...青柳(あおやぎ)に雨が煙って檐(のき)に金網造りの行燈(あんどん)が点(とも)され...
徳田秋声 「黴」
...納屋の檐下(のきした)には...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...セルギウスは女が檐下(のきした)の雨落(あまおち)に足を踏み込んだと云ふ事を知つた...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...檐(のき)も傾いた古い樓臺が一つ聳え...
中島敦 「盈虚」
...癒(なほ)り際(ぎは)が氣(き)を附(つ)けねえぢやえかねえもんだから」勘次(かんじ)は漬菜(つけな)の手(て)を放(はな)して檐下(のきした)へ來(き)た...
長塚節 「土」
...明日(あした)天秤棒(てんびんぼう)檐(かつ)いで出(で)る支障(さはり)にならあ」剽輕(へうきん)な相手(あひて)は思(おも)ひ出(だ)したやうにいつた...
長塚節 「土」
...おめえ等(ら)やうに紺屋(こんや)の弟子(でし)見(み)てえな手足(てあし)の者(も)な牛蒡(ごばう)でも檐(かつ)いで歩(ある)くのにや丁度(ちやうど)よかんべ」復讎(ふくしう)でも仕得(しえ)たやうな容子(ようす)で爺(ぢい)さんはいつた...
長塚節 「土」
...烟(けぶり)は低(ひく)い檐(のき)を偃(は)つて...
長塚節 「土」
...歸郷の途次辻村にて木欒樹(むくろじ)の花散る蔭に引き据ゑし馬が打ち振る汗の鬣余が起臥する一室の檐に合歡の木が一株ある...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...組紐(くみひも)を盤帯(はちまき)にした帽檐広(つばびろ)な黒羅紗(ラシャ)の帽子を戴(いただ)いてい...
二葉亭四迷 「浮雲」
...家の他の部分全体ほどの大きさの軒蛇腹(のきじゃばら)が檐(のき)と表口との上にある...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「鐘塔の悪魔」
...和(やわ)らかな光線は浅い檐(ひさし)から部屋の中へも送って来ます...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...家家の檐にしぶきがしてゐる...
水野仙子 「四十餘日」
...小憩茅檐問里程...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...檐(のき)に高く弔(つ)ってある鸚鵡(おうむ)や秦吉了(いんこ)の籠(かご)...
森鴎外 「雁」
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