...三本ずつ束にしたこのような枯枝が檐(のき)から下っていた――に心を打たれた...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...檐端(のきば)に歌ふ鳥の聲さへ...
高山樗牛 「瀧口入道」
...祇園精舍の檐朽ちて葷酒の香(か)のみ高くともセント...
土井晩翠 「天地有情」
...檐端(のきば)はずれに枝を差交(さしかわ)している...
徳田秋声 「あらくれ」
...檐下(のきした)から転び出た木臼の上と云わず...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...檐(のき)に立(た)つた蚊柱(かばしら)が崩(くづ)れて軈(やが)て座敷(ざしき)を襲(おそ)うた...
長塚節 「土」
...明日(あした)天秤棒(てんびんぼう)檐(かつ)いで出(で)る支障(さはり)にならあ」剽輕(へうきん)な相手(あひて)は思(おも)ひ出(だ)したやうにいつた...
長塚節 「土」
...何處(どこ)かで凍(こほつ)てた土(つち)へ響(ひゞ)くやうな(にはとり)の聲(こゑ)が疳走(かんばし)つて聞(きこ)えると夜(よる)は檐(のき)の隙間(すきま)から明(あか)るくなつた...
長塚節 「土」
...おつぎは低(ひく)い檐(のき)の下(した)を一歩(ぽ)踏(ふ)み出(だ)したら...
長塚節 「土」
...水面から檐(のき)まで三十尺もある二階座敷...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...檐(のき)に月影がさす...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...ずっと陽照りつづきで檐下(のきした)の忍草(しのぶ)までグッタリと首を垂れている...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...数寄屋(すきや)づくりの檐(のき)の深い建物なので...
久生十蘭 「キャラコさん」
...組紐(くみひも)を盤帯(はちまき)にした帽檐広(つばびろ)な黒羅紗(ラシャ)の帽子を戴(いただ)いてい...
二葉亭四迷 「浮雲」
...三十六峰が庭先や檐端(のきば)にうねくっていて...
正岡子規 「俳句上の京と江戸」
...檐(のき)も柱も濃い色のペンキで塗上げた支那料理屋や...
眞山青果 「茗荷畠」
...檐(のき)に高く弔(つ)ってある鸚鵡(おうむ)や秦吉了(いんこ)の籠(かご)...
森鴎外 「雁」
...その居宅の檐下(のきした)に躊躇(ちうちよ)せるを怪しみて故を問ひ...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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