...」と暮れかかる蜘蛛(くも)の囲(い)の檐(のき)を仰いだ...
泉鏡花 「海異記」
...檐(のき)傾き壁くずるというほどならねど...
井上円了 「おばけの正体」
...障子を開け払った檐頭(のきさき)に...
徳田秋声 「黴」
...彼は納屋(なや)の檐下(のきした)にころがって居る大きな木臼(きうす)の塵を払って腰かけた...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...のそり/\檐下(のきした)から引き出して...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...二十年の今日既に来青(らいせい)閣(かく)の檐辺(えんぺん)に達して秋暑の夕よく斜陽の窓を射るを遮るに至れり...
永井荷風 「来青花」
...網曳き明石の淋しい檐下を辿つて來ると...
長塚節 「須磨明石」
...杉皮が僅に雨を覆うて居る檐端(のきば)の手の屆く所に鳥の巣が二つならんである...
長塚節 「炭燒のむすめ」
...明日(あした)天秤棒(てんびんぼう)檐(かつ)いで出(で)る支障(さはり)にならあ」剽輕(へうきん)な相手(あひて)は思(おも)ひ出(だ)したやうにいつた...
長塚節 「土」
...檐(のき)に月影がさす...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...檐へかけた梯子をつたってドンドン庭のほうへおりて行く...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...檐(のき)には祭礼の提灯を掛けつらね...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...折も折端午の節に当つて古風に檐に菖蒲が葺かれてゐた...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...こまかに縺(もつ)れた蜘蛛(くも)の巣のようになって檐(のき)から垂れさがり...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「アッシャー家の崩壊」
...家の他の部分全体ほどの大きさの軒蛇腹(のきじゃばら)が檐(のき)と表口との上にある...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「鐘塔の悪魔」
...檐(のき)に高く弔(つ)ってある鸚鵡(おうむ)や秦吉了(いんこ)の籠(かご)...
森鴎外 「雁」
...剥いた殼だけは子供の所得でお正月のくる頃迄には日當りの檐下にかなり積まれる...
横瀬夜雨 「田舍の新春」
...その居宅の檐下(のきした)に躊躇(ちうちよ)せるを怪しみて故を問ひ...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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