...彼等の吸ふのは枯れた橡(とち)の葉の粉だ...
石川啄木 「雲は天才である」
...橡の樹のは掌(てのひら)...
レミ・ドゥ・グルモン Remy de Gourmont 上田敏訳 「落葉」
...橡(とち)の葉陰の舞踏(ぶたふ)の庭のワットオぶりの花籠よ...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...有り合はせの楢(なら)と橡(とち)と桐と樒(しきみ)と柿と椎と松と杉と柚(ゆ)と桑とを詠み込んで見せたものだ...
薄田泣菫 「器用な言葉の洒落」
...大湯も橡尾又も名勝も旧跡もないから遊び場所としては...
高頭仁兵衛 「平ヶ岳登攀記」
...屋敷の入り口から玄関までは橡(とち)の並み木がつづいています...
寺田寅彦 「先生への通信」
...彼はバシャンの橡(つるばみ)をもってなんじの漿(しる)を作る...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...東京市は頻(しきり)に西洋都市の外観に倣(なら)わんと欲して近頃この種の楓または橡(とち)の類(たぐい)を各区の路傍に植付けたが...
永井荷風 「日和下駄」
...蓙が雨のためにしめつて板のやうに強ばつて來たら山毛欅が竭きて橡の林になつた...
長塚節 「鉛筆日抄」
...橡面坊(とちめんぼう)を種に使ったところが面白かろうと大得意なんです...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...その中には聖者のやうな橡紅葉もあつて...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...その裏手の橡(とち)の林を突(つ)き抜けて行った...
堀辰雄 「美しい村」
...其處から橡の林の中にはひり込んでゐる...
堀辰雄 「巣立ち」
......
三好達治 「間花集」
...白橡(しろつるばみ)...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...巴里の街の橡(とち)の葉ははや八月に散りかかる...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...橡谷山(とちだにやま)方面にあるは...
吉川英治 「新書太閤記」
...橡も美しくその大きな葉を染めて立ち混っていた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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