...はるか向こうを見ると山から木材や薪炭(しんたん)を積みおろして来た馬橇(ばそり)がちらほらと動いていて...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...夏の間は足も入れられないような山奥迄も馬橇が通うようになって...
中谷宇吉郎 「米粒の中の仏様」
...現在の雪路運搬に用られる橇はちょっと面白いのである...
中谷宇吉郎 「米粒の中の仏様」
...昔は普通の橇を用いていたので短い材木しか運べなかったという話であるから...
中谷宇吉郎 「米粒の中の仏様」
...私は馬橇の上でひとりこれから帰って現像すべき乾板を大切にかかえていた...
中谷宇吉郎 「雪後記」
...雪の季節には郵便の橇を曳かせるのだそうだ...
野上豊一郎 「吹雪のユンクフラウ」
...倦むことなく前進してくる人と犬橇の一隊がうつる...
久生十蘭 「南極記」
...然し妻君は、二人今あの騒ぎの小屋へ沈没したならば、手もなく夜昼のけじめも忘れた泥酔の土鼠に化してしまふことを怖れて、もう暫くこの芝原で遊んで行かうではないか、岡のアトリヱから筵を持つて来て、橇にして、このスロウプを滑つて見ようではないか? などといふことを申し出た...
牧野信一 「心象風景」
...鈴を鳴して橇道を滑走して来る橇の一隊をさへぎつて...
牧野信一 「寄生木と縄梯子」
...三小屋から半里あまりある見晴しの峠までは二人の橇屋とNのコツクに彼等は送られて来た...
牧野信一 「山を越えて」
...橇遊(そりっこあそ)びをして面白さのあまり夜になることあり...
柳田国男 「遠野物語」
...よろよろと橇にもたれかかつた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...橇は雪道を飛んでいつた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...ぐるりつと廻ると橇が倒れて...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...というのは一台の橇に十四頭分の食料を積んでゆくことはできないということであつた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...橇道の底が以前から抜けていたのである...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...洋灯に照し出された馬橇の足を食い込んでいる雪の深さに不安も感じた...
横光利一 「旅愁」
...矢代はふとまた橇箱の上で...
横光利一 「旅愁」
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