...竹行李が二つ、柳行李が一つ、漬物樽が一つ、ストーヴが一つ、大きな風呂敷包が一つ、書棚が一つ、それ等がごつたに折り重なつた上に、簡單な机が仰向けに積んであつた...
有島武郎 「半日」
...函樽(かんそん)鉄道開通三日目と云ふに函館まで二等車に乗りて...
石川啄木 「閑天地」
...中央小樽駅に着きは着いたが...
石川啄木 「雪中行」
...「これ、酒樽に罪はない、そう手荒いことをするな」「手荒いことをするなとおっしゃったって、これが憎まずにいられましょうか、さんざん、殿様をほろ酔い機嫌のいい心持にして上げたうえに、また宿へお帰りになれば、寝酒というやつで、散々(さんざん)のお取持ちをする、思えば思えば、この樽めが憎らしい、憎らしい!」がんりきは、今度は、ブン廻すように酒樽を烈しく揺(ゆす)ると、神尾が笑い出し、「いいかげんにして許してやってくれ...
中里介山 「大菩薩峠」
...ふんその七代目樽金がどうかしましたかい」「あら...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...樽屋の店は、大通りから少し入つて居りますが、場所柄でもあり、數代に傳はる暖簾(のれん)で、當主の金兵衞は、なか/\のやり手と言はれて居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「樽屋さんが、寺の格天井(がうてんじやう)が一と小間が痛んで居るのを氣にして、一つだけ前の日にそつと外して置き、翌る朝歸る時、風呂敷に包んで持つて行かれました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...6.醸造者の樽呑口から買わないで標品を直接に幾つかの醸造所から手に入れると(ビールの)強さがもっと異なると信ずる理由がある...
アーサー・ヒル・ハッサル Arthur Hill Hassall, M.D. 水上茂樹訳 「食品とその混ぜ物処理」
...小樽港をアメリカ軍事基地として「提供」したらどうかという横浜調達庁のかねての勧誘にたいして...
服部之総 「望郷」
...先祖傳來の糠味噌樽へ螂蛆(うじ)と一處にかきまぜたる茄子大根の新漬は如何...
福澤諭吉 「肉食之説」
...これらの酒樽は尋常の手段に依つて獲得したのではない――といふことは事実である...
牧野信一 「酒盗人」
...何んなかたちになつて現れたか知れないが兎も角樽野は平穏な己れの姿を再び此処に見出さなかつたらう...
牧野信一 「円卓子での話」
...一沢山な落葉が浮んでゐる泉水の傍で樽野は...
牧野信一 「村のストア派」
...そして樽野は、一言もなかつた...
牧野信一 「籔のほとり」
...結局Aが奉公していた小樽タイムスの政敵...
夢野久作 「キチガイ地獄」
...大きな五升入の醤油樽を背負っている佐々木君が...
横光利一 「夜の靴」
...縄すだれに樽床几(たるしょうぎ)...
吉川英治 「剣難女難」
...あすこに灘(なだ)の樽(たる)がみえるようだが...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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