...夏は来ぬ海こえて夏は来ぬ――三千里波を御(ぎよ)す白駒の青きいぶきに世は今樹々(きぎ)も若いばえさなりその...
石川啄木 「閑天地」
...茂れる樹々の葉蔭に立ち並んで見える此盛岡は...
石川啄木 「葬列」
...樹々に見え隠れした...
梅崎春生 「桜島」
...去年の印象を新らたにする庭の樹々――山茶花も咲いてゐる...
種田山頭火 「行乞記」
...早崎に續く地方の寺や人家の屋根が緑の樹々と點綴して汀の青蘆の彼方に遠く廣がつてゐる...
近松秋江 「湖光島影」
...青葉城秋はうつろふ樹々の色に名のみなりけり青葉山圖南の翼風弱く恨は永く名は高き君が城あと今いかに...
土井晩翠 「天地有情」
...そよともしない新緑の樹々の間を奥深く見せていた...
豊島与志雄 「恩人」
...樹々の若葉がざわめいた...
豊島与志雄 「波多野邸」
...ここには樹々があり...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...聞えるのは一哩(マイル)向うのソーンフィールドをとりまく樹々の間を時折行く極く微(かす)かな風の音ばかりだつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...自分が密に繁つた樹々の暗がりに這入つたのを知つた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...蛇がからまり合って立ち上ったような樹々を見て...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...朝からしきりに樹々の枝を鳴らしていた...
山本周五郎 「泥棒と若殿」
...若葉の樹々に囲まれた一画で...
山本周五郎 「百足ちがい」
...粟田山(あわたやま)の樹々は...
吉川英治 「親鸞」
...雪の下から樹々の芽は萌(も)えだしていた...
吉川英治 「源頼朝」
...四辺(あたり)の樹々を見まわした...
吉川英治 「宮本武蔵」
...樹々(きぎ)の一家Une famille d'arbres太陽の烈(はげ)しく照りつける野原を横切ってしまうと...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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