...朝日がようよう高い東嶺を抜け出て樹々の葉を透してくる...
飯田蛇笏 「茸をたずねる」
...夕山風が古葉をふるわして樹々の間を掠めてくる...
飯田蛇笏 「茸をたずねる」
...他の樹々より高く立っている――或るものは一本で...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...石段の両側の樹々の梢から雨のしづくが落ちて来る...
太宰治 「津軽」
...樹々が蔭をつくり...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...人も豚もも蜥蜴も、海も樹々も、咳(しはぶ)き一つしない...
中島敦 「環礁」
...途に遙に小爆布をのぞむ多度山の櫟がしたに刈る草の秣が瀧はよらで過ぎゆく養老公園落葉せるさくらがもとの青芝に一むら淋し白萩の花養老の瀧白栲の瀧浴衣掛けて干す樹々の櫻は紅葉散るかも瀧の邊の槭(もみぢ)の青葉ぬれ青葉しぶきをいたみ散りにけるかも十七日...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...樹々に身を擦り小枝を掻き分けながら...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...)さうして襤褸をまとつたやうな光線が地上を掘りかへし、搖すぶり、樹々の背後に、まるで眠れない夜のやうな、褪めた緑色に、其處此處に草原を浮かびあがらせてゐます...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「トレドの風景」
...樹々の息を中へ入れるために...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ルイスヒェン」
...そのように重く生命の樹々を揺りながら...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ゆうべからの氷雨(ひさめ)でにわかに葉の落ちつくした樹々を見て...
山本周五郎 「落ち梅記」
...白骨のならんでいるような樹々の肌を見ると...
吉川英治 「御鷹」
...殊さら樹々の梢(こずえ)でうす暗い裏手の土塀をのりこえて...
吉川英治 「新書太閤記」
...花園の塵(ちり)を一掃したら、夏の天下は、青々(せいせい)と若い者の腕にひきうけて、土も肥やし、樹々も刈り、天地の気を新たにしなければいけない)などと激励していた...
吉川英治 「源頼朝」
...腫(う)んだ足をひき摺って登った鷲ヶ岳の樹々の氷花(つらら)が...
吉川英治 「宮本武蔵」
...この山の樹々のうちにも...
吉川英治 「宮本武蔵」
...樹々の梢(こずえ)が互いに交差してはまた離れるように...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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