...夏は来ぬ海こえて夏は来ぬ――三千里波を御(ぎよ)す白駒の青きいぶきに世は今樹々(きぎ)も若いばえさなりその...
石川啄木 「閑天地」
...樹々を震わせ…………………………弱り弱つた名殘の音が...
石川啄木 「漂泊」
...道の両側の樹々は...
太宰治 「雪の夜の話」
...翠緑の樹々に包まれた平和と寂寞(せきばく)さ!「ようし軍事施設は一切ないらしいな」凝乎(じっ)と眺めていたルドウィッヒ大尉は...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...樹々も路面もしつとり雨を含んで見るからに冷涼の気が肌に迫る...
寺田寅彦 「雨の上高地」
...萠え立つような新緑に樹々が包まれ初めていた...
豊島与志雄 「同胞」
...人も豚もも蜥蜴も、海も樹々も、咳(しはぶ)き一つしない...
中島敦 「環礁」
...人も豚も鶏も蜥蜴(とかげ)も、海も樹々も、咳(しわぶ)き一つしない...
中島敦 「夾竹桃の家の女」
...其等の樹々の円天井の下を暫く行くと...
中島敦 「光と風と夢」
...樹々の雨水(あめみづ)砂に滲(し)み風は空から氷片を...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...知つてゐる樹々を...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...太古からの高い樹々を見上げ...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「沈黙」
...)さうして襤褸をまとつたやうな光線が地上を掘りかへし、搖すぶり、樹々の背後に、まるで眠れない夜のやうな、褪めた緑色に、其處此處に草原を浮かびあがらせてゐます...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「トレドの風景」
...今まで友として見ていた樹々のなかに風のひゅうひゅう鳴る音も自分のそばを流れる水のながれも恐怖の声にきこえ...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「最後の晩餐」
...夜降る雪に美しい樹々が...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...庭の樹々は心あるものが強いて沈黙を守っているような静けさで...
水上滝太郎 「果樹」
...浅翠(あさみどり)の樹々に...
吉川英治 「三国志」
...樹々の眠りをさまして翔(か)ける怪鳥(けちょう)のように...
吉川英治 「宮本武蔵」
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