...唯素樸に単純に否定してゐるのではなく...
生田長江 「ニイチエ雑観」
...其風采や質樸無難にして具さに平凡の極致に達し...
石川啄木 「雲は天才である」
...浜田は簡樸質素の学究...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...気風もまた淳樸(じゆんぼく)であつた...
田山録弥 「スケツチ」
...遠く庭の彼方に見える折曲つた廊下の先の部屋にゐて蒲團の綿を入れてゐるお秋といふ三十ばかりの質樸な女中は...
近松秋江 「箱根の山々」
...自分は四年前から誠実にかつ純樸に被告に奉公していたのである...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...挙動がなんとなく無骨で素樸(そぼく)であった...
寺田寅彦 「子猫」
...ランニングシャツにパンツ姿の樸訥(ぼくとつ)な後姿に...
富田常雄 「刺青」
...恐らく気質は素樸なのだろうけれども...
野上豊一郎 「七重文化の都市」
...凡そ万葉集一般の歌境の特性は、その流露的な、素樸な、無反省な、純真な若々しい、詩情としては全くうぶな情操と、これを盛るに恰も適した温潤雅健な時代言語との、全く奇蹟的な出会ひの上に成立つてゐるものといつてもよからう...
三好達治 「万葉集の恋歌に就て」
...彼は却て純樸なる野趣を恋ふ...
室生犀星 「愛の詩集」
...森島樸忠、字は敦卿である...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...樸忠の年齢には疑がある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...下(しも)の樸忠の履歴が成り立つ...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...」樸忠は用人として文政七年七月二十七日に「江戸在番」を仰附けられ...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...樸忠は秋のうちに福山に帰つたことであらう...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...僕等は埃及(エヂプト)模様の粗樸(そぼく)な趣(おもむき)のある布(きれ)を数枚買つた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...寺内(じない)へ入(はひ)つてヂヨツトの筆に成る粗樸(そぼく)にして雄健(ゆうけん)な大壁画に見恍(みと)れた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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