...併し疑ふらくは自ら知ることは自らあることの純一に強盛に素樸に發動することを妨げると云ふ一般的傾向を持つてゐるらしい...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...気風もまた淳樸(じゆんぼく)であつた...
田山録弥 「スケツチ」
...それを質樸(しつぼく)な婆さんと見たのがこちらの誤りであったか……そんなことを思った...
近松秋江 「霜凍る宵」
...他方は質樸ならざるを以て英雄の本色となす...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...今日の生活を昔の質樸な生活...
内藤湖南 「大阪の町人學者富永仲基」
...世に伝うるマロリーの『アーサー物語』は簡浄素樸(そぼく)という点において珍重すべき書物ではあるが古代のものだから一部の小説として見ると散漫の譏(そしり)は免がれぬ...
夏目漱石 「薤露行」
...恐らく気質は素樸なのだろうけれども...
野上豊一郎 「七重文化の都市」
...原始の單純素樸なる自然定律の時代から...
萩原朔太郎 「青猫」
...昔めきたる老人は雅樸の一方に偏し...
正岡子規 「俳諧大要」
...雅樸なる者を取て卑野として不美術的としてこれを斥く...
正岡子規 「俳諧大要」
...これ雅樸にして美術的なる趣向ならん...
正岡子規 「俳諧大要」
...物の雅樸と物の婉麗とを選択するの必要あるのみならず...
正岡子規 「俳諧大要」
...ギリシヤ劇などに現れてゐるやうな素樸な運命觀に舞ひもどるやうな氣持がしないでもない...
正宗白鳥 「新しくもならぬ人生」
...樸忠の年齢には疑がある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...樸忠は我郷(わがきやう)の大国隆正...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...実は門田樸斎の第四子である...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...質樸(しつぼく)な職人気質(かたぎ)から平八郎が企(くはだて)の私欲を離れた処に感心したので...
森鴎外 「大塩平八郎」
...しかも淳樸なものらしい...
クスミン Mikhail Alekseevich Kuzmin 森林太郎訳 「フロルスと賊と」
便利!手書き漢字入力検索