...定子を横抱きにした婆やが...
有島武郎 「或る女」
...阿母(おふくろ)は横抱に...
泉鏡花 「縁結び」
...重い雛人形の樣に横抱きにして褥(とこ)に入れる...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...下士官の遺骸を横抱にかかえ...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...荷物を横抱きにぶつぶつ呟(ぼや)きながら...
薄田泣菫 「茶話」
...僕ハ妻ヲ横抱キニシテ腰カケ...
谷崎潤一郎 「鍵」
...後ろからパツと飛付いて横抱きにしたものがあります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「火事だッ、早く」平次はためらうお栄の手を引寄せると、それを横抱きに、梯子へ手を掛けようとしましたが、一瞬の違いで、梯子は上からサッと引き上げられてしまったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...私はもう」「何をつまらねえ、來やがれ」事面倒と見た八五郎は、お葉を横抱きに、窓格子(まどがうし)を蹴つて、離屋の外にパツと飛出しました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...前のをぢきが來てるぞ……」蝶子は蚊帳の吊手を一方だけはづして子供を横抱きにして出て來た...
林芙美子 「うき草」
...雪駄(せつた)ちやらちやら忙がしげに横抱きの小包はとはでもしるし...
樋口一葉 「たけくらべ」
...大きな風呂敷包みを横抱きに...
本庄陸男 「石狩川」
...ローラは横抱きに両腕に載せて悠々と人々を分けてプラツトホームに降りて来ると...
牧野信一 「南風譜」
...横抱きにしがみついた...
室生犀星 「はるあはれ」
...いきなり家から飛び出して来て私を横抱きにすると...
柳田国男 「故郷七十年」
...姉は三重子を横抱きにして乳を飲ませようとした...
横光利一 「悲しめる顔」
...泣きぬくお燕を横抱きにかかえ直し...
吉川英治 「大岡越前」
...その手は、黒髪長き人を、横抱きにし、掌(も)か紐(ひも)か、ヒラと曳いていた色も、眼にとまらなかったほどである...
吉川英治 「私本太平記」
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