...それでも火の気が便りだから、横坐りに、褄(つま)を引合せて肩で押して、灰の中へ露(あら)わな肱(ひじ)も落ちるまで、火鉢の縁(ふち)に凭(もた)れかかって、小豆(あずき)ほどな火を拾う...
泉鏡花 「婦系図」
...卓の傍へ来て横坐りに坐って...
太宰治 「新樹の言葉」
...煮え上るのを待つ間横坐りに足を投げ出して煮える音を聞いてゐた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...盛子は横坐りの所を見られまいとして慌てて立上つた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...芝草の上に奈世は横坐りに坐り...
富田常雄 「面」
...横坐りに炬燵に顔を伏せて...
豊島与志雄 「孤独者の愛」
...その首を、伸び伸びと、綺麗な肌を見せながら、卓子に片肱をつき、片方の肩を落して、横坐りに、裾をさばいて……...
豊島与志雄 「操守」
...そして太い臀を少し横坐りにどっしりと構えて...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...手拭浴衣に半帯をしめた常子が箪笥の前に横坐りに坐つてゐる姿が見える...
永井荷風 「来訪者」
...ゆき子は蒲団に片肘(かたひぢ)ついて横坐りになると...
林芙美子 「浮雲」
...改めて艶(なま)めかしく横坐りして焚火に手を翳しながら...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...横坐りになろうとして...
火野葦平 「花と龍」
...一太は極りの悪そうな横坐りをしてニヤニヤ笑った...
宮本百合子 「一太と母」
...世の中にこういうとこの人(しと)たちぐらいいやな男ってないわ」横坐りをしている若い女給が伊達巻をしめ直しながら溜息をついた...
宮本百合子 「刻々」
...飲まされちゃったのよ」おかねは火鉢の脇へぺたりと横坐りになり...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...駕籠の中で横坐りになって...
山本周五郎 「風流太平記」
...膝を横坐りに起き直って...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...ぺたんと横坐りにすわっている...
吉川英治 「松のや露八」
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