...樟脳(しやうなう)やナフタリンも食ふかも知れない...
芥川龍之介 「変遷その他」
...………32月の光を受けた樟の木の幹...
芥川龍之介 「誘惑」
...樟脳等の正規の処方でつくった虎疫薬を入れた小さな硝子瓶を受取る...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...何の臭いだろう」スーッとする樟脳(しょうのう)くさい匂いと...
海野十三 「蠅男」
...従来藍草や樟樹を特産物としていた国には急に強敵が現われたわけで...
丘浅次郎 「民族の発展と理科」
...人里離れた深山などにある樟の樹の梢(こずえ)に鷲(わし)が巣をくっている...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...其木有二※杼、豫樟、櫪、投橿、烏號、楓香一...
内藤湖南 「卑彌呼考」
...過ぎしころは夜ごとに梟の鳴きつときけばふくろふの宵々なきし榧の樹のうつろもさやに照る月夜かもおなじく庭のうちなる樟の木の葉のきら/\とかゞやきたるを主の女の刀自のいとうつくしきものと稱ふれば我が刀自にかはりてよみける秋の夜の月夜の照れば樟の木のしげき諸葉に黄金かゞやく一日小雨...
長塚節 「長塚節歌集 上」
...清澄の八瀬尾の谷に炭燒を見に行く清澄のやまぢをくれば羊齒交り胡蝶花(しやが)の花さく杉のしげふに樟の木の落葉を踏みてくだり行く谷にもしげく胡蝶花の花さく二十五日...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...この樟脳の高い香(かおり)と...
夏目漱石 「門」
...人の住んでる所は樟脳(しょうのう)を採(と)る小屋が一軒あるばかり...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...五十二日目に船底に使うのに恰好な厚い樟(くす)の板がうちあがってきた...
久生十蘭 「藤九郎の島」
...樟喬太郎つていふのは...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...駅中道北に巨大の樟木(くすのき)あり...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...ひらみつくやうに生えてゐる樟(くす)や樫の森などの続いてゐる果てなる空...
吉江喬松 「伊良湖の旅」
...自分の上から樟板の絵図面をながめ澄ましている...
吉川英治 「江戸三国志」
...彼がふと廊下の一隅で拾い取った樟板(くすいた)の半分です...
吉川英治 「江戸三国志」
...四邊の山林から樟腦を作る楠と紙を製(つく)るに用ふる糊の原料である空木(うつぎ)の木とを採伐することに着手した...
若山牧水 「姉妹」
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