...天之何々之神と云い、天之安河と云い、天之岩戸と云い、天の香山と云い、天の堅石、天の金山、天の波士弓、天の加久矢、天の詔琴、天の逆手、天の石樟船、天の八十毘良迦など、その例殆んど牧挙に遑あらざるも、其意義に於ては、異ることなく、何れも一個の附加言にして、决して事物の起原、或はその存在の場所を、示すものに非ず...
高木敏雄 「比較神話学」
...樟の老樹の若葉が美しかつた...
種田山頭火 「旅日記」
...毎年樟腦六十六斤を用ひ...
内藤湖南 「文溯閣の四庫全書」
...お千代は樟脳(しょうのう)の匂(におい)を心持よさそうに吸込(すいこ)みながら...
永井荷風 「ひかげの花」
...同区弓町(ゆみちょう)の大樟(おおくすのき)...
永井荷風 「日和下駄」
...初め熱海の山は樟と松のみに蔽はれてゐるやうに見られてゐたが...
永井壮吉 「冬日の窓」
...他は椎(しい)や樟(くす)の葉に覆われた寂しい村落である...
中村地平 「南方郵信」
...村いっぱいに植わっている椎や樟の葉がのびて...
中村地平 「南方郵信」
...二百余間もある河はばを越えて対岸を眺めると、樟や、杉などの南方植物につつまれた家々の屋根がまぶしい陽のなかにきらめいて、その奥遥か遠くに双石(ぼろいし)の連山がくっきりと連っている...
中村地平 「宮崎の町」
...此(この)樟腦(しやうなう)の高(たか)い香(かをり)と...
夏目漱石 「門」
...a.毎日の入浴、排便の習慣、苦く収斂性の味のある枝をある種の木から新しく取って歯を磨き、舌を削り、口を注ぎ、顔を洗い、軟膏を眼につけ、身体に香油を塗り、頭、耳、足の踵に油をつけ、口を(キンマ葉、樟脳、カルダモン、その他の葉で)世話をし、髪の毛、ひげ、爪を世話する...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...樟腦臭(しやうなうくさ)い綺麗首が六人」八五郎は大きく身振りをして...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お前は大事な着物を虫干(むしぼし)にして樟腦(しやうなう)まで入れて藏(しま)ツて置くだらう...
三島霜川 「青い顏」
...昭和十七年川内幼稚園園歌西の薩摩の城いくつ廻ぐりめぐりて大海へ川内川(せんだいがは)の出でてゆく姿を下にのぞむ山神代の樟の群立(むらだ)ちの影いと深く清らなる御垣の内を許されて我れ等は学び我れ等は遊ぶ戦(いくさ)の後(のち)に大事なは愛の心と人も知る愛(え)の御社の大神よ深き教を垂れ賜ひ大き興亜の御業に我れ等も与(あづか)らしめ給へ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...その目的も樟板(くすいた)の紛失したことで万太郎には読めていました...
吉川英治 「江戸三国志」
...これを見ておくれ……」「おっ……これは樟板(くすいた)の半分」「私の手にある図面と合せて...
吉川英治 「江戸三国志」
...ツギ合せた樟板(くすいた)に依って...
吉川英治 「江戸三国志」
...四邊の山林から樟腦を作る楠と紙を製(つく)るに用ふる糊の原料である空木(うつぎ)の木とを採伐することに着手した...
若山牧水 「姉妹」
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