...それから樟(くす)の木の根もとに佇(たたず)み...
芥川龍之介 「誘惑」
...「鷲の巣の樟の梢に日は入りぬ」と言ったのでもよさそうなものだというような説が出るかもしれませぬが...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...材はよく樟(くすのき)を使っていた...
高村光太郎 「回想録」
...香港(ホンコン)で樟(くす)の木製の大型支那箱を買って...
谷譲次 「踊る地平線」
......
種田山頭火 「行乞記」
...お千代は樟脳(しょうのう)の匂(におい)を心持よさそうに吸込(すいこ)みながら...
永井荷風 「ひかげの花」
...清澄の八瀬尾の谷に炭燒を見に行く清澄のやまぢをくれば羊齒交り胡蝶花(しやが)の花さく杉のしげふに樟の木の落葉を踏みてくだり行く谷にもしげく胡蝶花の花さく二十五日...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...人の住んでる所は樟脳(しょうのう)を採(と)る小屋が一軒あるばかり...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...加密爾列(カミツレ)の煎汁と樟脳の湿布を頬にあてていた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...日本(につぽん)で一番(いちばん)大(おほ)きい木(き)といへば鹿兒島縣(かごしまけん)姶良郡(あひらごほり)蒲生村(がまふむら)にある大樟(おほくす)です...
本多靜六 「森林と樹木と動物」
...樟喬太郎といふのは始めて知つた名前だが...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...樟(くすのき)の角机に肱をつき目前の景色に眺め入っていた...
宮本百合子 「毛の指環」
...土人説に上古此地に大なる樟木(くすのき)あり...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...多分はその地に樟(くす)の神木(しんぼく)があったためか註文楠と書いている村もある...
柳田國男 「地名の研究」
...ぷんと樟(くす)のにおいが部屋じゅうにひろがりました...
吉川英治 「江戸三国志」
...よくこの樟板(くすいた)を底へいれておくものですが...
吉川英治 「江戸三国志」
...ツギ合せた樟板(くすいた)に依って...
吉川英治 「江戸三国志」
...「あなた様はこの樟板(くすいた)の一方を...
吉川英治 「江戸三国志」
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