...……けれどもお子さんならわたしほんとうにちっとも構いはしない事よ...
有島武郎 「或る女」
...うちの寶兒は何の病いでしょう」「この子は身体の内部が焦げて塞がっている」「構いますまいか」「まず二服ほど飲めばなおる」「この子は息苦しそうで小鼻が動いていますが」「それや火が金(かね)に尅(こく)したんだ」何小仙は皆まで言わずに目を閉じたので...
魯迅 井上紅梅訳 「明日」
...構いませんか...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...佐野君はそれにはお構いなしに...
太宰治 「令嬢アユ」
...「子供が大勢あるのさえお構いなければ...
谷崎潤一郎 「細雪」
...その十「お早うございます、よろしゅうございますか、―――」と、廊下に立ち止まって声をかけると、「ええ、構いません、さあさあ」と云うので、表の座敷へ這入ってみると、宿の浴衣(ゆかた)に市松の伊達巻(だてまき)姿で鏡の前にすわりながら、髷(まげ)のあたまを梳櫛(すきぐし)で撫(な)でているお久の傍(そば)に、老人はビラを膝の上に載せて、老眼鏡のケースを開けたところである...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...「僕の一身はどないなっても構いません...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...何をしても、構いませんわね...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...僕の方は構いませんが……どうぞ...
豊島与志雄 「化生のもの」
...此のたびは泰然としてはかなふまじと、神澤子帽をぬぎ、時計、紙入、蝙蝠傘を我にあづけ、身構いさましく、エイヤツト聲はかけねど、人を割て入りたれども、雲霞の如き大勢、叶ひ難くや、消息いかにと氣遣ふ間に、早くも列車は笛を鳴らして立去れば、取り殘されし數百千人、烟をながめて茫然たり...
内藤湖南 「寧樂」
...こうなればわたしは何を着ていたって構いません...
永井荷風 「ひかげの花」
...貴夫(あなた)が構い付けて御遣(おや)りなさらないからです」「己(おれ)を構い付けなくさせたものは...
夏目漱石 「道草」
...八」「あっしが行っても構いませんか」「その窮屈袋と紋付をかなぐり捨てるんだ」言い捨てて平次は飛出しました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...第二十三 砕き肉のサンドイッチ牛肉の料理が残った時そのまま薄く切って前の通りな料理に致しても構いませんが...
村井弦斎 「食道楽」
...何のお構いも成りませぬ...
山本周五郎 「おもかげ抄」
...飲めそうもないよ」「肴が変れば結構いけるさ」「まだなにか食わせるのか」「見せると云った証拠というやつさ...
山本周五郎 「山彦乙女」
...……どうぞ助けると思って僕を他の室に……エッ……室が満員なんですって? そんなら野天(のてん)でも構いません...
夢野久作 「狂人は笑う」
...これあドウモ奥様のお酌(しゃく)で……どうぞお構い遊ばしませんで……手酌で頂戴いたしやす...
夢の久作(夢野久作) 「人間腸詰」
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