...榧(かや)の実もない...
泉鏡花 「瓜の涙」
...其処へ五右衛門が榧の膳を持って来た...
田中貢太郎 「義人の姿」
...勝栗もかじってみたことがあるが榧の実ばかりは五十年間ただ眺めて来ただけである...
寺田寅彦 「新年雑俎」
...榧(かや)の実の一つや...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...さっそく仕度にとりかかり、食糧として小麦粉、炒粟、乾葡萄、塩、唐辛子粉、榧の油、木椀に木匙、羊の長毛を内側にして縫いあわせたツクツク(寝袋)、燧(ひうち)道具、薬品といった類のものを、八貫目ばかり荷にしてテンバという山案内に背負わせ、地図と磁石を靴のなかに隠し、カンプゥタンを出発したのは、明治卅三年の六月十二日のことであった...
久生十蘭 「新西遊記」
...榧はどういう理由で正月に用うるかよくわからぬが...
牧野富太郎 「植物記」
...二人が二本の榧(かや)の木のアーチになった下を潜(くぐ)ったら不思議な音はもう切れ切れじゃなくなった...
宮沢賢治 「黄いろのトマト」
...三之木だけは榧の樹の下でいきんでいるばかりで...
山本周五郎 「似而非物語」
...……三之木三郎は榧の枝からぶら下げたあの木剣を...
山本周五郎 「似而非物語」
...葉は榧(かや)に似ていた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...特に榧の実は労咳にいいそうで...
山本周五郎 「柳橋物語」
...「庭中の木を八圓で」買つたのはよいが、龜さんが植ゑてくれた、片ぱしから枯れて、殘つたのは、榧の木一本...
横瀬夜雨 「五葉の松」
...榧の木の洞に寄生した棕梠は枯れたか知らと見當をつけて探すあたりに...
横瀬夜雨 「べつ甲蜂」
...榧の梢(こずえ)の股の間に...
横光利一 「日輪」
...パチ…… パチリ榧(かや)の柾目(まさめ)の盤(ばん)が三面...
吉川英治 「魚紋」
...榧野(かやの)五助は何しておるっ...
吉川英治 「新書太閤記」
...縁(えん)の端居(はしい)に蚊やりの榧(かや)をいぶしていた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...枯れ杉と榧(かや)の枝をつかんで戻ってきた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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