...然し概念的に物事を考える習慣に縛られている私達は...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...甚だ概念的で、また甘ったるく、原作者オイレンベルグ氏の緊密なる写実を汚すこと、おびただしいものであることは私も承知して居ります...
太宰治 「女の決闘」
...頗(すこぶ)る概念的な百姓風俗である...
太宰治 「善蔵を思う」
...丸く見えたらいびつに描くというような概念的機械的方法によって製作しているのではないかという疑いが起るのは...
寺田寅彦 「二科展院展急行瞥見記」
...即ち本質の照観に溶け入るべき概念的な言葉の意味を通じて...
戸坂潤 「空間概念の分析」
...吾々は両者の概念的分析を...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...機能概念的考え方をもってすれば...
中井正一 「物理的集団的性格」
...即ち具体概念的に把握することである...
西田幾多郎 「絶対矛盾的自己同一」
...その前に十分の準備をして概念的に予備知識を貯えて置くことはもちろん必要であり...
野上豊一郎 「パラティーノ」
...例へば具體的表現が理論的に加工整理されて概念的表現に移されるといふやうなことは起り得るであらう...
波多野精一 「時と永遠」
...ただすべての小説に一律な概念的規定を与えて...
平林初之輔 「文芸は進化するか、その他」
...彼は無暗と概念的に母を攻撃するのだつた...
牧野信一 「父の百ヶ日前後」
...一端これはと見込んだ場合には飽くまでも後へは退かぬ性格である――とかといふ概念的な説明をされて...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...しかるに写生的に書かうと思ひながらかへつて概念的の記事文を書く人がある...
正岡子規 「病牀六尺」
...しからば直觀的個物から如何にして概念的な思惟に到達し得るのであるか...
三木清 「認識論」
...概念的な推理で判断するのは絶対危険の大禁物である...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...斯ういふ風に言つて來るといかにも概念的に理窟つぽく聞えるのを思ふが...
若山牧水 「樹木とその葉」
...その想念がかくのごとく幼稚で概念的で...
和辻哲郎 「院展遠望」
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