...M旅館の楼上で遊興する男女を垣間見たりする...
種田山頭火 「行乞記」
...蜃気楼(しんきろう)に欺されたりして...
寺田寅彦 「レーリー卿(Lord Rayleigh)」
...此万碧楼に泊った余は...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...昨来ノ風雨鎖ス二書楼ヲ一...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...漢文にては入蜀記、菜根譚、紅楼夢、西廂記、随園詩話等...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...妻と二人して今までは互に秘置(ひめお)きける古き文(ふみ)反古(ほご)取出(とりいだ)して読返しながら張りつくろふ楽しみもまた大厦高楼(たいかこうろう)を家とする富貴(ふうき)の人の窺知(うかがいし)るべからざる所なるべし...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...大通寺の境内は広く、規模は大きく、その中に本堂があり、表門があり、裏門があり、庫裡があり、書院があり、経蔵があり、鐘楼があり、鼓楼があり、盥漱所(かんそうじょ)があり、香部屋(こうべや)があり、蘭亭があり、枕流亭(ちんりゅうてい)があり、新御殿があり、土蔵があり、示談講があり、総会所があり、女人講があり、茶所があり、白砂会所(しらすなかいしょ)、二十八日講、因講(ちなみこう)までを数えると、ちょっと一息には言えない建物があるのですから、その一角で、この深夜、ひとり捨てられた人の子が、全力を尽して号泣していたところで、いずれの隅まで反応して人の眠りを驚かすか、甚(はなは)だ怪しいものであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...妓楼百軒という繁昌で...
久生十蘭 「奥の海」
...登楼費そも何ほど位のものなのだらう...
正岡容 「東京万花鏡」
...同君はその頃私が第一次「苦楽」誌上へ松井君のお祖父さんである先々代五明楼玉輔の自作人情噺「写真の仇討」についていささか書いたので...
正岡容 「わが寄席青春録」
...遊二 敵が居さえすれば門前町は大八楼で射ちてえところだろうて? 御愁傷様みてえだ...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...八幡楼(やはたろう)の隠居のいる小さい寮があった...
森鴎外 「二人の友」
...彼が日本橋矢の倉の亀井楼で画会を催したあと...
山本周五郎 「おれの女房」
...芸よりも鼻息の強かったのは五明楼玉輔...
山本笑月 「明治世相百話」
...わけても松本楼に程近い石畳の四辻は人の顔の山を築いて...
夢野久作 「名娼満月」
...望楼の一角(かく)の柱をすべッて...
吉川英治 「江戸三国志」
...童学草舎(どうがくそうしゃ)一城壁の望楼で...
吉川英治 「三国志」
...資本(もと)も子も失(な)くすことになる」望楼を歩きながら阿波守...
吉川英治 「鳴門秘帖」
便利!手書き漢字入力検索