...山縣(やまがた)中將書を南洲に寄せて兩軍殺傷(さつしやう)の慘(さん)を極言(きよくげん)す...
佐藤一齋・秋月種樹(古香) 山田濟齋訳 「南洲手抄言志録」
...かならず聞き洩らさなかったにちがいない」しかし彼の極言もむだだった...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...秀真君の鋳物を批評するのにもこの写生ということを極言して従来の型にはまろうとする上に警告を与えるのを常としていた...
高浜虚子 「子規居士と余」
...如何なる天才も到底真の芸術家たり得る資格がないとさえ極言しました...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...全く馬鹿げたことであるとさえ極言されたそうである...
知里真志保 「生きているコタンの銅像」
...極言すれば、科学者の道が何者かの圧迫をうけているともみられる...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...或る一群のブルジョア・イデオローグは之を見て国家社会主義の宣言だと極言する...
戸坂潤 「社会時評」
...極言すれば、それを獲得することに怠慢であるとも言える...
豊島与志雄 「今日の条件」
...極言すれば、方福山が旅行しようと、旅行から無事に帰って来ようと、旅行中に野たれ死にしようと、そんなことは僕に何等の関係もないんだ...
豊島与志雄 「白塔の歌」
...私は、一人のエジソンの頭脳によって、この人類社会の科学的進歩がどの程度に迄発達したか、――極言すれば、人類社会そのものがどの程度にまで進歩したか、――を考えるとき、私たちの社会に於て、マルクス主義者とか、或はその思想に反対する一切の保守主義者たちが唱えているような今日の諸学説が根本的に破壊され終るであろうことは、必ずしも空想ではあるまい、と思われるのである...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...勝手に父となり母となるのは虚偽でなくてなんであろう? 無理というよりほかないではないか? さらに極言するを許されるならば「無礼である」と草葉のかげでつぶやく声がありそうである...
永井隆 「この子を残して」
...ああ極言して賞(ほ)めちぎったが...
吉川英治 「剣の四君子」
...死をお急ぎなされますや」極言だった...
吉川英治 「私本太平記」
...知りつつ見のがしていた同穴の狢(むじな)か? とさえ極言する輩もないではなかった...
吉川英治 「私本太平記」
...極言すれば、この時代の人間すべては、(世の中とは、即、戦国のこと...
吉川英治 「新書太閤記」
...それを極言するまでもなく...
吉川英治 「親鸞」
...極言する者は、「それだから、藤井紋太夫のごときが、憚(はばか)らず増長するのだ」と、までいった...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...いや極言すれば、この世の悠久を信じる人間には、最後もだめもないはずである...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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