...極端にいえば、思想さえ思う存分に発現する事が出来るなら方式や修辞は革命家の立場からはドウでも宜(よ)かるべきはずである...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...彼に対してのみその傾向(けいこう)が極端になって行ったのである彼女が佐助を最も便利に思った理由もここにあるのであり佐助もまたそれを苦役と感ぜずむしろ喜んだのであった彼女の特別な意地悪さを甘(あま)えられているように取り...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...それが極端に目立つて来る...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...しかしその半面の随伴現象としていわゆる骨董趣味を邪道視し極端に排斥し...
寺田寅彦 「科学上の骨董趣味と温故知新」
...愚弄(ぐろう)的な調子で極端にわたるのを聞くと...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼は極端に親密な態度だった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...極端に詮じつめれば...
豊島与志雄 「猫」
...生みの母に対する尊敬だけは極端に男尊女卑の彼らでも有(も)っているのである――今しばらく北方へ隠れていてもらいたい...
中島敦 「李陵」
...自分は服部氏の庭に立つ時分尻をおろしたがそんなことには極端に無頓着な故人はぎつしり尻を捩上げた儘である...
長塚節 「記憶のまゝ」
...傘の下には極端に裝飾された太夫の首が造り付けられた樣に前面を正視して居る...
長塚節 「菜の花」
...少し極端にいえば...
中谷宇吉郎 「風土と伝統」
...表沙汰(おもてざた)になるのを極端に嫌ひ乍ら...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...クラムが極端に神経質だということにして...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...しかしそれすら極端に推論せられては過誤を生ずべし...
正岡子規 「人々に答ふ」
...女の恐怖は極端に達した...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...これが極端になると普通の嫌なものに出合った時と同様に「鼻をしかめる」...
夢野久作 「鼻の表現」
...若し事實といふものの價値を非常に極端に考へ過ぎたらば...
吉川英治 「折々の記」
...金、虚名、貪慾、無節操、乱倫、阿諛(あゆ)、奸争(かんそう)、佞策(ねいさく)、何でも、利にしたがって、嗅覚の漁(あさ)りに奔(はし)り、ばかばかしい人間の理想などというものを、極端にまで、軽蔑(けいべつ)し合った...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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