...もとは、笠井さんも、そのような調査の記録を、写実の数字を、極端に軽蔑して、花の名、鳥の名、樹木の名をさえ俗事と見なして、てんで無関心、うわのそらで、謂(い)わば、ひたすらにプラトニックであって、よろずに疎(うと)いおのれの姿をひそかに愛し、高尚なことではないかとさえ考え、甘い誇りにひたっていたものであるが、このごろ、まるで変ってしまった...
太宰治 「八十八夜」
...彼に対してのみその傾向(けいこう)が極端になって行ったのである彼女が佐助を最も便利に思った理由もここにあるのであり佐助もまたそれを苦役と感ぜずむしろ喜んだのであった彼女の特別な意地悪さを甘(あま)えられているように取り...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
......
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...極端に小遣を倹約しても...
豊島与志雄 「或る素描」
...極端に云えば、独身でいたのがいけなかったのかも知れない...
豊島与志雄 「道化役」
...この流派の常(つね)として極端に陰影の度を誇張した区劃の中に夜(よる)の小雨(こさめ)のいと蕭条(しめやか)に海棠(かいどう)の花弁(はなびら)を散す小庭の風情(ふぜい)を見せている等は...
永井荷風 「妾宅」
...生みの母に対する尊敬だけは極端に男尊女卑の彼らでも有(も)っているのである――今しばらく北方へ隠れていてもらいたい...
中島敦 「李陵」
...話がとかく極端に走るおそれがあるということは知っておく必要がある...
中谷宇吉郎 「日本のこころ」
...彼を思い切った極端に駆(か)り去るほどに...
夏目漱石 「門」
...仮令(たと)い斯くまでの極端に至らざるも...
福沢諭吉 「新女大学」
...極端に質素な樣子の爲めに...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...極端に水分をとらない私は後架にひんぱんに通うことがいやなのと...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...このようにこれらの人々をあらゆる極端におちいり易くしたのは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...刺激と感激とが極端に起こってきた...
山本実彦 「十五年」
...もっと極端に申しますと現在の世界は...
夢野久作 「少女地獄」
...さもなければ極端にどつちかに偏した思想...
吉川英治 「折々の記」
...中央よりは、むしろ、極端になるのが、こんな禁令厳行の場合というと、有りがちな状態である...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...特に米軍の進駐で極端に切りキザまれた横浜だけに...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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