...至極冷淡な返事をしますと...
芥川龍之介 「開化の良人」
...三畳の部屋はまさにその収容力の極限に達した...
伊丹万作 「私の活動写真傍観史」
...その文面はすこぶる鄭重(ていちょう)を極めたもので...
海野十三 「赤耀館事件の真相」
...亭主を世界中の唯一人として愛するものだと単純に極めて了って...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...あらゆるものを顧みる暇がなかったほど困難を極めていた...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...至極満足の体でいられたが...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...此所(ここ)はこうと一ヶ所極(き)まり処を教えると...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...他のことはみんなお分かりになってるんですね」「極めて明瞭に分ってるつもりです...
コナンドイル Arthur Conan Doyle 三上於莵吉訳 「株式仲買店々員」
...この公算は至極小さいが...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...例えば匿名批評は一派の文士が他派の文士をやっつける場合に使う至極有効な武器だと云ったようなわけである...
戸坂潤 「思想としての文学」
...それで黒板博士が逸勢の書いたものと極められたのは...
内藤湖南 「弘法大師の文藝」
...氷の粒になっている場合は極めて稀である...
中谷宇吉郎 「雨を降らす話」
...自然としては極めて明快な高原的眺望をもつた所もある...
萩原朔太郎 「石段上りの街」
...少女時代の極彩色の恐怖が...
林不忘 「あの顔」
...極めて微妙な処に趣向を取つて居る...
正岡子規 「病牀六尺」
...そこには極めてすぐれた認識の理論が含まれてゐるのであるけれども...
三木清 「認識論」
...「次官はこう答えたね、土川くん、日本はね、きみ、いま大変な時代に当面しているんだよ、詳しいことは機密だからいえないが、日本はまもなく鉄飢饉(ききん)にみまわれる、きみのアイディアはだめだね」「だめとはなんですか、とぼくはきいたね」春彦は続けた、「次官が答えて云うには、国策上の最緊急物資は鉄だ、鉄道省ではきみ、いまレールの継ぎ目を二ミリ拡げることを考えているんだ、レール一本につき両端一ミリずつの鉄を削って、それを国策の緊急資材にまわそうというわけさ、きみの継ぎ目なしレール案は国策に逆行するものだと云うほかなしだね」「確かに次官はでたらめを云っているのではなかった」すぐにまた春彦は続けた、「まもなく統制経済になり第二次世界大戦になった、市電のレールまで外していくほど鉄不足になったんで、さすが次官ともなれば先見の明のあるもんだと感心したね、それはいいんだが、敗戦になってさ、こんどは国鉄だろう、それがきみ能率増進か合理化のためか知らないが、継ぎ目なしレールを採用することになった、ぼくのアイディアの盗用さ、戦前の事は戦後政府は責任をとらないたてまえだって云うがね、世界的に知られた日本の大国鉄ともあろうものが、ぼくのような貧しい、弱い、孤立無援の者のアイディアを盗用して、それで良心に恥じないもんかね」七代目は六法全書をすっかり調べあげてから云うように、極めて慎重、かつ正確な口ぶりで、「特許局へ訴えたらどうか」と云った...
山本周五郎 「季節のない街」
...およそ両極ほどな相違があった...
吉川英治 「私本太平記」
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