...行く手に黒ずんで見える楡(にれ)の切り株の所まで腰から下まで雪にまみれてたどり着くと...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...それとも質素を旨として第一監獄工場で作った楡の木のベッドでもいいが...
魯迅 井上紅梅訳 「幸福な家庭」
...途中に立つてゐる大きな楡(にれ)の木の繁葉から...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...鞭索(べんさく)の苦行(くぎやう)に身を鍛(きた)へた楡(にれ)の木よ...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...柏の木と楡の木とのあいだをぬけ...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「予謀殺人」
...楡と御柳(ぎよりう)と楊柳と今悉く燃え上る...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...窓からは楡(にれ)の木立ちを透かして河岸と川とを見渡すことができた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...楡(にれ)の木の下に...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...大学の楡の梢に郭公が鳴き始めると間もなく...
中谷宇吉郎 「低温室だより」
...リラの花と楡(にれ)とポプラの木の札幌は...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...楡の家第一部一九二六年九月七日...
堀辰雄 「菜穂子」
...……そうしてお前は私が好んでそこで本を読んだり編物をしたりしていた楡(にれ)の木陰の腰掛けに私と同じように腰を下ろしたり...
堀辰雄 「菜穂子」
...自分の頭上の真黄いろな楡の木の葉がさらさらと音を立てながら絶えず私の肩のあたりに撒(ま)き散(ち)らしている細かい日の光をなんて気持がいいんだろうと思っているうちに...
堀辰雄 「菜穂子」
...その楡の木はすっかり葉を失っていた...
堀辰雄 「菜穂子」
...突然私の手にしていた日記をその儘その楡の木の下に埋めることを私に思い立たせた...
堀辰雄 「菜穂子」
...托児所の庭の青々と茂った夏の楡の樹の下にやや年かさの女が三つばかりの男の子を抱き...
宮本百合子 「明るい工場」
...菩提樹や楡の繁った大公園に向っていて...
「おもかげ」
...若葉の蔭に楡銭が堆(たい)を成して散り重なり...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
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