...日は木がくれて、諸とびらゆるにきしめく夢殿の夕庭寒く、そそ走りゆく乾反葉(ひそりば)の白膠木(ぬるで)、榎(え)、楝(あふち)、名こそあれ、葉廣(はびろ)菩提樹(ぼだいじゆ)、道ゆきのさざめき、諳(そら)に聞きほくる石廊(いしわたどの)のたたずまひ、振りさけ見れば、高塔(あららぎ)や九輪の錆に入日かげ、花に照り添ふ夕ながめ、さながら、緇衣(しえ)の裾ながに地に曳きはへしそのかみの學生(がくじやう)めきし浮歩(うけあゆ)み、――ああ大和にしあらましかば、今日神無月日のゆふべ、聖(ひじり)ごころの暫しをも、知らましを身に...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...九 楝の花一夏、脳が悪くて田舎(いなか)の親類のやっかいになって一月ぐらい遊んでいた...
寺田寅彦 「花物語」
...古風な屋根門のすぐわきに大きな楝(おうち)の木が茂った枝を広げて...
寺田寅彦 「花物語」
...きれいに掃いた道に青竹の削りくずや鉋(かんな)くずが散らばって楝(おうち)の花がこぼれている...
寺田寅彦 「花物語」
...桶をたたく音は向こうの丘に反響して楝(おうち)の花がほろほろこぼれる...
寺田寅彦 「花物語」
...初夏の日かげは真直(まっすぐ)に門内なる栗や楝(おうち)の梢(こずえ)に照渡っているので...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...彼の「センダンは双葉(ふたば)より香ばし」と唱うる「せんだん」はすなわち栴檀でそれは楝(れん)の「せんだん」ではない...
牧野富太郎 「植物記」
...枯葉に音をたてる赤楝蛇(やまかがし)の...
三好達治 「測量船」
...「楝軒詩集」である...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...楝軒詩集は五巻ある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...其明証は楝軒(れんけん)詩集にある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...浅川楝軒は初め霞亭が召されて東に之(ゆ)く時...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...正しくは漢語に楝(れん)とあるものに該当する...
柳田國男 「アテヌキという地名」
...この楝すなわちオウチをアテの木ということは...
柳田國男 「アテヌキという地名」
...楝の和名であったことが一つの知識である...
柳田國男 「アテヌキという地名」
...幸いにまだこの苦楝木が無数にあるうちに...
柳田國男 「アテヌキという地名」
...上総州海上(うなかみ)郷にこの苦楝すなわち楝が多いとある...
柳田國男 「アテヌキという地名」
...本草のいわゆる青皮楝だとある...
柳田國男 「アテヌキという地名」
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