...清楚(せいそ)甚だ愛すべきものあり...
芥川龍之介 「大正十二年九月一日の大震に際して」
...若い小さい処女のままの清楚(せいそ)の母は...
太宰治 「俗天使」
...清楚な趣のあった女のように思われる...
田中貢太郎 「愛卿伝」
...蕎麦の花がしろ/″\と咲いてゐる、清楚な花だ、コスモスが赤く或は白く咲きいでゝ揺れてゐる、可憐な花である...
種田山頭火 「其中日記」
...凡ての点で清楚だと感じのする秋子とは異って...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...寒菊が清楚に活けてあった...
豊島与志雄 「無法者」
...とぎれて聞える鐘の声は屈原(くつげん)が『楚辞(そじ)』にもたとえたい...
永井荷風 「鐘の声」
...」宇田川町の大人とは敵討物の大御所南仙笑(なんせんしょう)楚満人(そまびと)のことであった...
林不忘 「仇討たれ戯作」
...繊細で清楚な鋭い感じは変らなかつた...
原民喜 「永遠のみどり」
...この風変りに楚々たる花の中に植物の天才がその極致に触れ...
牧野信一 「卓上演説」
...『楚辞』に顧兎とあるは注に顧兎月の腹にあるを天下の兎が望み見て気を感じて孕むと見ゆ...
南方熊楠 「十二支考」
......
三好達治 「駱駝の瘤にまたがつて」
...陣中の清楚、秩序の整然、一糸の紊(みだ)れも見えません...
吉川英治 「上杉謙信」
...ま、水滸(みずのほと)りの蛙も同然さ」そこへ、楚々(そそ)と、盧俊儀(ろしゅんぎ)の妻の賈氏(こし)が、屏風(びょうぶ)を巡ってあらわれた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...やがて、土肥家の側が、ずらりと、坐り終わったところで、花嫁は、つのかくしを、俯向(うつむ)けて、庄次郎のそばへ、楚々(そそ)と、手を曳かれてきた...
吉川英治 「松のや露八」
...震旦の部では取題の人物は秦の始皇、漢の高祖、楚の項羽、後漢の明帝、梁の武帝、唐の玄宗等の王者から、玄奘三藏、善旡畏等の諸高僧や、郭巨、孟宗等の孝子、孔子、莊子、季札、蘚武等、また上陽人、楊貴妃などに及び、その出處は、『史記』『漢書』『唐書』『白氏文集』『世説』『説苑』諸子百家の書、詩話、隨筆等さまの書である...
和田萬吉 「父兄の方々に」
...余(あま)す所の二日間尚如何なる艱楚(かんそ)を嘗(な)めざるべからざるや...
渡邊千吉郎 「利根水源探検紀行」
...置き物を一つか二つに限った清楚な座敷をながめて...
和辻哲郎 「藤村の個性」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??