...セセツシヨン式の本所会館は「牛乳デイ」とかいふものの為に植込みのある玄関の前に大きいポスタアを掲(かか)げたり...
芥川龍之介 「本所両国」
...絶えず玄関の植込みへ滑り込んで来る自動車の音ばかり聞き耳を立てているのであったから...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...前を通るとこんもりした邸内の植込みの青葉の隙から破風型の日本館の瓦が銀鼠色に輝き...
谷崎潤一郎 「少年」
...植込みの隙間(すきま)から...
徳田秋声 「縮図」
...数株の落葉樹の植込みを無心に眺めているうち...
豊島与志雄 「秦の出発」
...あの向うの植込みの下まで透き通るような明るみに夜が明け切っていました...
豊島与志雄 「田原氏の犯罪」
...その時フト自分の家の庭の植込みの中から...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...植込みの欝蒼(こんもり)した...
長谷川時雨 「古い暦」
...透(す)けた松の植込みの向うを裸馬(はだかうま)が何匹(びき)も曳(ひ)かれて通る...
林芙美子 「清貧の書」
...植込みのなかに突きだした『ご不浄のサロン』は...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...門をはいったすぐ横の植込みの中に...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...一面にうっすらと靄(もや)の立ちこめている向うの植込みのあたりへ「いい匂がするなあ...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...植込みの蔭につとより添って...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...それでもさすがに春は植込みの花の木が思いがけない庭の隅々(すみずみ)にも咲いたけれど...
水上滝太郎 「山の手の子」
...本から目をはなし(つまらないの)鉄柵越しに見える街路の植込みの草やそとを通る自転車やらを見ていたら風がひいやりとするせいか...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ただ表の植込みから蝉(せみ)の声が降るように聞こえて来るばかりなので...
夢野久作 「いなか、の、じけん」
...植込みの間に腰を抜かしている若党勇八を尻目に見ながら...
夢野久作 「名君忠之」
...フランス庭園の樹木の植込みを見れば分る...
横光利一 「欧洲紀行」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??