...茶椀(ちゃわん)ほどの大きさの...
海野十三 「赤外線男」
...七椀吃不レ得、也唯覚両腋習習清風生...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...一組二円の吸物椀を買つた...
薄田泣菫 「茶話」
...緑平老に・ひさしぶり逢へたあんたのにほひで(彼氏はドクトルなり)□・梅雨晴の梅雨の葉のおちる□蠅取紙・いつしよにぺつたりと死んでゐる・山ふかくきてみだらな話がはづむ・山ふところのはだかとなる・のぼりつくして石ほとけ・みちのまんなかのてふてふで・あの山こえて女づれ筍うりにきた晩に土落(どろおと)し(田植済の小宴)、の御馳走を頂戴した(御相伴といふ奴だ)、煮しめ一皿、まだ飯一椀、私に下さる前に、牛が貰つたか知ら!(此地方は山家だから牛ばかりだ)今朝はめづらしくどこからも来信がなかつた、さびしいと思つた、かうして毎日々々遊んでゐるのはほんたうに心苦しい、からだはつかはないけれど、心はいつもやきもきしてゐる、一刻も早く其中庵が建つやうにと祈つてゐる...
種田山頭火 「行乞記」
...終日椀や盆の製造に忙殺されてゐる家などもあれば...
田山花袋 「歸國」
...剥椀(はげわん)で抄(すく)うてはざぶり/\水田にくれる...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...普通の味噌椀の三杯ほどもはいりそうな大きな鉢に...
豊島与志雄 「ヘヤーピン一本」
...○蓬頭垢面(ほうとうこうめん)身(み)に襤褸(らんる)をまとい薦(こも)を被り椀を手にして犬と共に人家の勝手口を徘徊して残飯を乞うもの近来漸くその跡を絶てり...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...俺(お)ら家(ぢ)や田植(たうゑ)迄(まで)は有(あ)るやうに庭(には)へ埋(う)めて置(お)くのよ」亭主(ていしゆ)は自分(じぶん)も椀(わん)の牛蒡(ごぼう)を挾(はさ)んでいつた...
長塚節 「土」
...膳椀も一日のうちに運び入れて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...仙太はいい加減に茶椀を長五に渡してしまい...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...そのカラになった椀に酒をつぐ...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...別に黒胡麻を炒(い)って擂鉢(すりばち)でよく摺(す)って味淋と醤油でドロドロに弛(ゆる)めたものの中へ鯛の身を入れて炊きたての御飯へかけて茶椀の蓋(ふた)をして出します...
村井弦斎 「食道楽」
...夕二椀半と極(き)めていた...
森鴎外 「渋江抽斎」
...大きな塗椀の中にはぷつぷつと泡立っているとろろ汁が入っていた...
矢田津世子 「茶粥の記」
...たとえ貧しくて一椀の粥(かゆ)を啜りあっても...
山本周五郎 「日本婦道記」
...わかりやしないわ」お豊はいきなり汁椀の蓋を取り...
山本周五郎 「花も刀も」
...汁椀の上から上わ目で...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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