...泥海の底に孔をうがち棲む透明な一種の蝦...
伊東静雄 「わがひとに与ふる哀歌」
...この天井に棲む鼠にて侍(はべ)り...
巌谷小波 「こがね丸」
...お蔭で大蛇(おろち)はその頃から棲む家(うち)が無くなつてしまつた...
薄田泣菫 「茶話」
...女房のふところには鬼が棲(す)むかあああ蛇(じゃ)が棲むかとかいうような悲歎には...
太宰治 「おさん」
...天上の天(あま)の川(がわ)がすっかり凍って、その凍った流れが滝になって、この世界の地上のいちばん高いところから、どうっと氷の大洪水が地上いっぱいに十重(とえ)も二十重(はたえ)も取りまいて、人畜は言わでものこと、山に棲(す)む獣も、海に棲む魚介も、草木も、芽生えから卵に至るまで、生きとし生けるものの種が、すっかり氷に張りつめられて絶滅してしまう...
中里介山 「大菩薩峠」
...その極樂淨土に棲む三千の菩薩達...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...墓場の下に棲むであらう...
萩原朔太郎 「宿命」
...……彼も近頃この街へ棲むやうになつたのだが...
原民喜 「壊滅の序曲」
...欧亜諸国で伏蔵すなわち財宝を匿(かく)した処にしばしば蛇が棲むより...
南方熊楠 「十二支考」
...土中と空中に棲む悪鬼シンナを辟(さ)くと(一八五〇年シンガポール発行『印度群島および東亜雑誌』四巻八号四一五頁...
南方熊楠 「十二支考」
...寒帯にも棲(す)み熱帯にも棲むという動物は必ず皮膚の下に脂肪を蓄えてちょうど脂肪の皮を蒙(かぶ)っているようです...
村井弦斎 「食道楽」
...自分の心中に棲む両極の図会となって自身の心の軽重をじりじり計るのである...
横光利一 「旅愁」
...青年・馬上に棲む生涯一書生――といふのが...
吉川英治 「折々の記」
...棲む人の色と共に...
吉川英治 「剣難女難」
...天狗車人の世の人を嫌(きら)つて天狗が廻す此世車(このよぐるま)修羅を行く輪(わ)は業(ごふ)の焔乗るは大天狗引くは木ツ葉天狗押すは何天狗人の心の谷(やつ)に棲む諸(もろもろ)天狗みにくい外道(げだう)美しい夜叉(やしや)この鎌倉にも百八の谷(やつ)あり然(しか)るがゆゑ...
吉川英治 「私本太平記」
...阿波の奥地へ棲むようになりました...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...この時点以降我ら十名が――とりわけ学生のダンフォースと私自身が――直面しようとしていたのは悍ましくも増幅された潜み棲む恐怖...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...風呂から出て一杯飮み始めると水に棲むらしい夏蟲が斷間なく灯に寄つて來た...
若山牧水 「水郷めぐり」
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