...……奥様が日中の森閑とした廊下から声をかけられた...
犬養健 「愚かな父」
...森閑とした部屋に取残された...
海野十三 「暗号の役割」
...三時か四時ごろのカフェーにはまだ吸血鬼の粉黛(ふんたい)の香もなく森閑としてどうかするとねずみが出るくらいであった...
寺田寅彦 「コーヒー哲学序説」
...森閑としていることがある...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...此(この)辺は森閑として人の気配もありません...
野村胡堂 「踊る美人像」
...森閑として動かない...
林芙美子 「浮雲」
...男湯の方は馬鹿に森閑としてゐた...
林芙美子 「暗い花」
...すべてが森閑としてゐる...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...その森閑とした大気のどこかしらから人声がきこえて来た...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第七巻)」
...あたりは実に森閑としていて...
宮本百合子 「女靴の跡」
...家内は森閑として音もない...
山本周五郎 「お美津簪」
...国老の屋敷は森閑と鎮りかえっていた……胸に喰込むような...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...あとは森閑としてしまった...
夢野久作 「暗黒公使」
...人聲もずぼずぼと沈んだやうに森閑となつてしまつた...
横光利一 「榛名」
...鏡の間のように光り輝き森閑として人一人通らなかった...
横光利一 「旅愁」
...深夜から暁かけての灯も森閑とひそまっていた...
吉川英治 「私本太平記」
...森閑として春浅き樹海にはただ鳥の音が澄んで聞えるだけだ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...森閑として、二人の主従は、涙の中に自分をまかせていた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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