...……奥様が日中の森閑とした廊下から声をかけられた...
犬養健 「愚かな父」
...さすがの場所も段々森閑として來た...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...いつ来て見てもこのあたりは森閑として庫裡(くり)に人影一つ動いたこともない寂然さであった...
橘外男 「逗子物語」
...公園の入口にはダリアが美しく咲いて森閑とした園内を園丁が掃除していた...
寺田寅彦 「札幌まで」
...大問屋町というのは妙に奥や裏の方は森閑としていたもので...
長谷川時雨 「渡りきらぬ橋」
...森閑とした化粧室の鏡の前に立ちはだかつた...
林芙美子 「或る女」
...もう白い灰になってしまって森閑としています...
林芙美子 「クララ」
...神に平伏してゐるやうな森閑としたかつかうだつた...
林芙美子 「下町」
...邸の内部には人の気配もなく森閑としずまりかえっている...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...森閑とした日曜日の官邸内の居室に幣原さんはひとりで坐っておられた...
前田多門 「「人間宣言」のうちそと」
...山裾一面の森は森閑として...
牧野信一 「ゼーロン」
...夕暮近くになつても珍らしくあたりが森閑としてゐるもので...
牧野信一 「鶴がゐた家」
...しかしなにもかも森閑としているので...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...森閑とした墓地径を二人は黙って歩いている...
矢田津世子 「神楽坂」
...その小走りの跫音(あしおと)が聞えなくなると室(へや)の中が急に森閑となった...
夢野久作 「暗黒公使」
...森閑と動かなくなった...
夢野久作 「暗黒公使」
...朝からあたりは森閑としてゐて...
横光利一 「榛名」
...二人をのこして森閑として静まりかえっているのであった...
蘭郁二郎 「白金神経の少女」
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