...同じ呼び声が森閑とした夕ぐれの大気にひびきわたった...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「リップ・ヴァン・ウィンクル」
...苦い顏をして階段を上つて、懷手をした儘耳を欹てて見たが、森閑として居る...
石川啄木 「病院の窓」
...森閑たる昼なほ暗きところに蒼然たる古池があつて...
太宰治 「津軽」
...いつ来て見てもこのあたりは森閑として庫裡(くり)に人影一つ動いたこともない寂然さであった...
橘外男 「逗子物語」
...あたりの森閑とした静けさといい...
橘外男 「棚田裁判長の怪死」
...森閑と静まり返っていることが多かったが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...何があるか気のつかない所に森閑(しんかん)として...
夏目漱石 「草枕」
...小屋の中は森閑として...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...森閑とをさまりかへつてゐる...
林芙美子 「あひびき」
...広い食堂は森閑(しんかん)としてゐる...
林芙美子 「浮雲」
...森閑とした墓地径を二人は黙って歩いている...
矢田津世子 「神楽坂」
...家内は森閑として音もない...
山本周五郎 「お美津簪」
...あとは森閑としてしまった...
夢野久作 「暗黒公使」
...森閑としたホールの白いテープの波の中を...
横光利一 「上海」
...鏡の間のように光り輝き森閑として人一人通らなかった...
横光利一 「旅愁」
...久しぶり海の香にひたって、まずは深々と眠るまでよ」問注所の朝は、森閑として、小鳥のさえずりの中だった...
吉川英治 「私本太平記」
...相変らず森閑(しんかん)とはしているが...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...度かさなる犯罪を秘めて森閑としているその家の四壁が...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
便利!手書き漢字入力検索