...うす暗く森々(しんしん)と聳えてゐた...
芥川龍之介 「槍ヶ嶽紀行」
...森々(しんしん)と虚空に茂った中に社(やしろ)がある...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...位置が位置とて古木森々として昼さえ人足まれなれば...
井上円了 「おばけの正体」
...祠殿莊嚴、老樹森々として、境おのづから閑寂、人をして敬虔の心を起さしむ...
大町桂月 「鹿島詣」
...千年の老杉森々として...
大町桂月 「北總の十六島」
...一日、鳴雪(めいせつ)、五城、碧梧桐(へきごとう)、森々招集、運座を開く...
高浜虚子 「五百句」
...濠の向うは彦根(ひこね)藩邸の森々(しんしん)たる木立で...
田中貢太郎 「狢」
...谷間の杉の木は森々と茂る...
田山録弥 「田舎からの手紙」
...いかに斧(おの)をふるうも森々たる高草大木は人を圧して侵し...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...上野へ行くんです」「へえ」「すると公園内の老木は森々(しんしん)として物凄(ものすご)いでしょう」「そうさな...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...城には喬木が森々(しんしん)と繁り...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...森々(しんしん)と眠っている村落を見晴るかす...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...虎答えて曰く〈汝毛竪(た)ちて森々たり...
南方熊楠 「十二支考」
...汝毛竪(た)ちて森々(しんしん)たり...
南方熊楠 「十二支考」
...森々たる樹立のあいだに...
山本周五郎 「半之助祝言」
...森々(しんしん)として静かである...
吉川英治 「神州天馬侠」
...森々(しんしん)の剣(つるぎ)密々の戟(ほこ)柳花(りゅうか)水を斬り草葉(そうよう)征矢(そや)を成す濠(ほり)を繞(めぐ)る垣は是(こ)れ壮士(おのこ)祖殿(そでん)には在(あ)り 三傑の子当主の朝奉(ちょうほう)智謀に富み事しあらば 満城吠(ほ)ゆ独龍山上 独龍岡下(こうか)窺(うかが)う外賊は仮にもゆるさず一触霏々(ひひ)の虫と化(け)し飛ばさん「おや...
吉川英治 「新・水滸伝」
...――はや森々(しんしん)たる華岳の参道を踏み登っていたのである...
吉川英治 「新・水滸伝」
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