...いづれの棧敷(さじき)にも客滿ちて...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...棧道落ちて一二間ばかり路なし...
大町桂月 「鹽原新七不思議」
...弟は棧橋のらんかんを二三度兩手でゆりうごかしてから...
太宰治 「思ひ出」
...棧橋(かけはし)や命をからむ蔦(つた)かつら...
田山花袋 「秋の岐蘇路」
...軒の低い呉服屋や荒物屋などの竝んだ商家の通りを過ぎて俥が棧橋の手前の切符賣場にやつと轅棒(かぢぼう)を下すと...
近松秋江 「湖光島影」
...」棧橋に佇(たたず)んでいるうち...
徳田秋声 「縮図」
...私たちが唐棧の素袷に平ぐけの帶をしめて...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...棧敷の上(小曲)渦巻の裕衣(ゆかた)に淡き恋心仇(あだ)し姿の しのばれて涙で唄を 唄ひませう棧敷の上に しよんぼりと仇し姿に 咲く花を伏目になりて唄ひませう鳰(にほ)の浮巣の岸に咲くほのかに白き藻の花のはかなき恋を 唄ひませう...
野口雨情 「野口雨情民謡叢書 第一篇」
...中の二つの戸の棧(さん)は内からでも開けられますが――」老番頭の忠助は苦笑するのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...上の棧も下の棧もきかなくなつて居るから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...彼等の後は棧敷(さじき)の隅までぎっしりの人であった...
宮本百合子 「高台寺」
...その棧橋の陸につないであるところに私と栄さんと合計三十何貫の重みがずっしりとかかっていることに心付かず...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...そこの松の木の下に棧敷をはってフタバ幼稚園...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...怨めしさうに最うあと一と棧で日光が障子にあたらなくなるのを...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...もう棧橋はひつそりしてゐて...
森林太郎 「身上話」
...どつちから見ても棧(さん)が障子骨の表を見るやうになつてゐる...
吉川英治 「折々の記」
...横濱ドツクや棧橋附近に蝟集するカンカン蟲の大群は...
吉川英治 「折々の記」
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