...棕櫚の手製の箒等みな自分専用のものである...
上村松園 「画室談義」
...無遠慮で通つた棕隠は平気で坐に上(あが)つて往つた...
薄田泣菫 「茶話」
...梵本というのは古いものは棕櫚の葉に書いた物である...
高楠順次郎 「東洋文化史における仏教の地位」
...目は吊上つて齒が飛び出て髮の毛が棕櫚見たいに突立つて居る妙な顏を描く...
竹越與三郎 「日本の眞の姿」
...殿下はあの棕櫚(しゅろ)の置いてあるあたりで...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...己はあの棕櫚山を上る時に怪我をした筈だが」と云って...
谷崎潤一郎 「紀伊国狐憑漆掻語」
...髮を棕櫚箒のやうにした山の上(かみ)さんが...
田山花袋 「日光」
...そして細かい棕櫚(しゅろ)の毛で編んだ帽子とでもいったようなものをかぶっている...
寺田寅彦 「球根」
...景品として棕櫚酒(しゆろしゆ)一壺を貰(もら)ひました...
豊島与志雄 「アフリカのスタンレー」
...棕梠箒(しゅろぼうき)で煙を払うように...
夏目漱石 「草枕」
...鉢のなかには棕梠竹(しゅろちく)が二三本靡(なび)くべき風も受けずに...
夏目漱石 「野分」
...そして一緒に棕櫚の日曜日を過ごす...
シャルル・ゲラン Charles Guerin 堀辰雄訳 「ジャム、君の家は」
...――独りの部屋に帰つて窓先きを眺めてゐると棕櫚の樹の葉蔭に何時もの梟(フクロ)が来てゐる...
牧野信一 「どうしたら私は憐れな彼女を悸さずに済せるだらう」
...棕櫚竹(しゅろちく)の鉢植えの陰になっているテーブルのほうへ行った...
松本泰 「宝石の序曲」
...どうかして太古に漂着して日向の海岸のその小島ばかり今も南洋の椰子棕梠を茂らせているところを見に行って...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...かのソクラテスは棕櫚の葉をかちえたりという...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...深い形で頭のみならず襟(えり)まで総々(ふさふさ)した棕櫚毛で被(おお)うように作られてあります...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...そこでこの「三吉乗ったか昔のくち合」に対し、棕隠らしいが、「文吉、すえたか(季鷹)今のつき合」と、文吉と季鷹とを読みこんで詠んだ...
柳田国男 「故郷七十年」
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