...遂にその社會主義を棄てて宗教的生活に入るに至つたまでの――思想の動搖を一篇の骨子としてゐる上に於て...
石川啄木 「小説「墓場」に現れたる著者木下氏の思想と平民社一派の消息」
...中途でその目的を放棄した賊の気が知れぬ...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...』とお山は言棄てて...
徳田秋聲 「絶望」
...放棄された李永泰は...
豊島与志雄 「小説・評論集「文学母胎」後記」
...時には自暴自棄かと思われるほどの深酒が初まったとのことである...
豊島与志雄 「必要以上のもの」
...狭い社会の作った窮屈な道徳を脱ぎ棄(す)てて...
夏目漱石 「行人」
...命令棄却は機密漏洩より罪が重い...
久生十蘭 「川波」
...自分で棄(す)てに行くか...
火野葦平 「糞尿譚」
...棄鉢(すてばち)のように声を立てて笑った...
火野葦平 「糞尿譚」
...その恐ろしい荷を投げ棄てると...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「マリー・ロジェエの怪事件」
...あの翌朝私が酒場に脱ぎ棄てゝ来たといふガウンを...
牧野信一 「歌へる日まで」
...というのはこの坂にさしかかると懐中(ふところ)の金袋の重味でさえも荷になって投げ棄ててしまいたくなる程の困難な煩らわしい急坂だからである...
牧野信一 「ゼーロン」
...ヤイとんちき野郎」ポーンと自棄(やけ)に貝を剥く出刃庖丁を投り出し...
正岡容 「寄席」
...そして以前の習慣を著しく抛棄せざるを得なくなりはしないであろうか...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...和解又ハ調停ノ成立抛棄...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...そうして犬ころでも棄てるように軽々とデックの夜会服の腕の中へ投渡(なげわた)されちゃったんです...
夢の久作(夢野久作) 「人間腸詰」
...地面に投棄てられた金口の煙草を指しながら……...
夢野久作 「老巡査」
...始めのうちは陸上都市を完全に放棄するつもりではなかった事実が伺えた...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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