...道理が許さねば之(これ)を棄てる――ただそれ丈である...
W・S・モーゼス William Stainton Moses 浅野和三郎訳 「霊訓」
...何にも不自由はないが毎朝虎子(おかわ)を棄てに行くのが苦労だといったそうだ...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...「私は弁論を放棄します...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...リエも子供たちもふり棄てる為の放浪...
田中英光 「さようなら」
...其草履は墓地でぬぎ棄てるので...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...更に進んで正金を代表して居る紙幣までも破棄せねばならぬと叫んで居る...
朝永三十郎 「懷疑思潮に付て」
...棄てて省みなかつたではないか?蓋し...
中原中也 「詩に関する話」
...僕は自分と書き出して自分と裂き棄(す)てたようなこの小説の続きをいろいろに想像した...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...加納屋の戸締りと來たら自棄(やけ)に念入りで」「此處に居たといふ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...放棄的な表情で、眼をつぶったが、急になにかを思いついたように、すぐに、くるりと、起きなおった...
火野葦平 「花と龍」
...真実に蘭学を棄てゝ仕舞(しま)い...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...數哩離れた山のなかの部落へ棄てられに行くところを...
堀辰雄 「匈奴の森など」
...併し寐巻の上に経帷子(きょうかたびら)位を着て山上の吹き曝しに棄てられては自分の様な皮膚の弱い者は...
正岡子規 「死後」
...読者は忘れたであろうか? 私は一時自暴自棄と依怙地とから...
松永延造 「職工と微笑」
...賢主不棄物...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...臘虎の皮特有の妙な臭気がしたので直ぐに脱いで投棄てたように思う...
夢野久作 「父杉山茂丸を語る」
...また棄てがたい味ひがある...
吉井勇 「青春回顧」
...あの華やかな「東京」を見棄(みすて)てこんなネオンライト一つない町に...
蘭郁二郎 「腐った蜉蝣」
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