...次に投げ棄つる御冠(みかがふり)に成りませる神の名は...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...かつ……われわれは偏見を棄てて...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...「心さえ到っておったなら、この短銃と、三十歩にて、小太刀で立合える、と、わしは思う――将曹対手に、命を棄てるのも、と、そんな心掛けでは、矢張り討てんのう...
直木三十五 「南国太平記」
...われは過去を棄てんとしつつあるに...
夏目漱石 「虞美人草」
...友達を棄てた...
夏目漱石 「門」
...昨夜は自棄(やけ)に暗かつた」「――」「起して見ると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...さきに用いた「万国公法」なる名称を棄てて「公法便覧」と題し...
穂積陳重 「法窓夜話」
...おれがそこら中に脱ぎ棄てておいた外套や上衣や襯衣(シヤツ)や...
堀辰雄 「恢復期」
...遂々終りまで半円周近くも棄てられ続けだつたといふのだつた...
牧野信一 「競馬の日」
...その彼の体が五つも入る位ゐな……若しそれが脱ぎ棄てゝあつたならば...
牧野信一 「スプリングコート」
...道に外れてるから今に男に見棄てられます...
正宗白鳥 「孫だち」
...玄俊は痘科を棄てゝ顧みなかつたのださうである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...両親も棄てる...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 森林太郎訳 「駆落」
...飲みさしの烟草を棄てて目を瞑(ねむ)つた...
森鴎外 「魔睡」
...「棄てて行くと、棄てて行くと」と中音(ちゅうおん)に独言(ひとりごと)を言って見た...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...あらゆる場合を予想していたのだから……手早く着物を脱ぎ棄てて...
夢野久作 「冗談に殺す」
...無情(つれ)なく見棄てられた二人の芸妓(げいしゃ)の事を思うと...
夢野久作 「爆弾太平記」
...「棄て給え、その恋、ああ忘れ給え……」とマルグリットは切なげに歌っている...
横光利一 「旅愁」
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