...その杖を投げ棄て...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...時々使い古しが道路に棄ててあるのを見る...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...ただ棄権する、それだけで充分だったのである...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...その紙を破り棄てなさる事さへ見受けられるやうになりました...
太宰治 「右大臣実朝」
...したがって一般の風習として若い女たちも平気で衣服を脱ぎ棄てて...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...金銀の財宝は蘆の中へ棄てられて往った...
田中貢太郎 「女賊記」
...西鶴以前の文章の第一人者と云われている了意の筆になっただけに棄(す)てがたいところがある...
田中貢太郎 「牡丹燈籠 牡丹燈記」
...然れども惱める汝を棄ておかじ』しかく陳じて頭領を胸に抱きて...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...全くこれを廃棄するか然らざれば改作するにありといふ...
永井荷風 「江戸芸術論」
...いつともなく古式を棄てるようになった...
永井荷風 「葛飾土産」
...人生の享楽を抛棄(ほうき)した悟道人のように見えるが...
中里介山 「大菩薩峠」
...動(うご)かすなといつたら動(うご)かさなけりやいゝんだ」巡査(じゆんさ)は呼吸(いき)で霧(きり)のやうに少(すこ)し霑(ぬ)れた口髭(くちひげ)を撚(ひね)りながら「櫟(くぬぎ)の根(ね)が大分(だいぶ)あるやうだな」といひ棄(す)てゝ去(さ)つた...
長塚節 「土」
...最後の住人がこの土地を棄(す)ててから...
中谷宇吉郎 「『西遊記』の夢」
...雲浜が名うての貧乏を一躍放棄できたのは...
服部之総 「志士と経済」
...それ故能う限り醜さを棄てて美しさを選ぼうとする...
柳宗悦 「民藝四十年」
...自暴自棄になりかかっている輩(てあい)がかなりある...
吉川英治 「鬼」
...江戸表まで共に出ようといった言葉を破棄してしまう考えはないらしく...
吉川英治 「宮本武蔵」
...――これらは彼らが唾棄して惜しまない所である...
和辻哲郎 「転向」
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