...此美しい野をも山をも棄てゝ...
石川三四郎 「吾等の使命」
...私はもう一度、妻子を棄て、桂子を自分の妻にしようと思った...
田中英光 「野狐」
...不要の部分をことごとく切り棄てる事もできるからして...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...船を棄(す)てて氷の上へ上(あが)って...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
......
長谷川時雨 「九条武子」
...窓から外へ投げ棄てた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...洋人は鼻汁を拭うに毎次紙を用いて直ちにこれを投棄し...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...飲食しないからその儘(まま)棄(す)てゝ置けば餓死する...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...歸るとき棄てられて行く奴がゐます...
堀辰雄 「匈奴の森など」
...見る間に黒く棄てられて行つた...
牧野信一 「鏡地獄」
...それともむざ/\振棄てゝ来た浅草の舞台の役と人気とに未練と悔恨との入れ乱れた感情を...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...一桶の藍(あい)流しけり春の川この句を評して「一桶の」といふのは実際桶に入れて藍を棄(す)てたといふのでなくて染物を洗ふため水の染(そ)んでゐる工合を云々(うんぬん)といふてある...
正岡子規 「病牀六尺」
...人生に對してどんなに嚴格な人間も名譽心を抛棄しないであらう...
三木清 「人生論ノート」
...与(くみ)せぬものは切棄(きりす)てゝ起(た)つと云ふのだらう...
森鴎外 「大塩平八郎」
...ここでも「手結」の道を棄てて...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...その中に数々の食物を入れて野山へ棄てに行くのと...
柳田国男 「年中行事覚書」
...「――道路を変更したために古くから繁昌していた老舗がこれこれ倒産し、これこれの人間が井戸へ身を投げ、自暴自棄になり、夫婦別れをし、身をもち崩して一家ちりぢり、実に無惨だの滑ったの転んだの、女の腐ったような愚痴泣き言を並べるんです、いったいかれらは政治をどう考えているんでしょうか、……こんな劃期的な都市改造、歴史的な大改修に当って、老舗の五十軒や百軒がなんですか、町人どもの百人や千人、倒産しようが井戸へ跳び込もうが、夫婦離別一家ちりぢり、当然すぎて可笑しいくらいのものです、鳥や魚や虫けらなんぞは毎日もっとたくさん踏み潰されたり叩っ切られたりしていますよ」「無法なことを云う」図書助は唖然(あぜん)と眼をみはった、「――大切な領民を魚や虫けらと同一に扱うやつがあるか」「わかっていますわ、お父さま」笙子嬢が刺すように口を入れた...
山本周五郎 「半之助祝言」
...「……か……勝手にせい」と言い棄てると額に青筋を立てたまま座敷に入って障子をハタを閉めた...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
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