...車夫が梶棒(かじぼう)をあげようとする時女将(おかみ)が祝儀袋をその手に渡すのが見えた...
有島武郎 「或る女」
...配達車のそばを通り過ぎた時、梶棒の間に、前扉に倚(よ)りかかって、彼の眼に脚だけを見せていた子供は、ふだんから悪戯(いたずら)が激しいとか、愛嬌(あいきょう)がないとか、引っ込み思案であるとかで、ほかの子供たちから隔てをおかれていた子に違いない...
有島武郎 「卑怯者」
...梶棒を握っていた車夫が...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...梶棒(かじぼう)の上ると共に互に黙礼を換(かわ)して訣(わか)れた...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...無造作に梶棒をあげた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...俥夫(くるまや)はがたりと梶棒をおろした...
薄田泣菫 「茶話」
...私の俥に並んで梶棒を下ろした俥からは...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...梶棒(かじぼう)を下ろして飲みし清水かなかつて藤沢(ふじさわ)から車で帰った時であります...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...その人力車も梶棒に両手を合わせて...
高浜虚子 「丸の内」
...車夫(くるまや)は梶棒(かじぼう)をおろして...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...梶棒の鈴の音もほがらかに...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 菊池寛訳 「フランダースの犬」
...梶棒を控えました...
中里介山 「大菩薩峠」
...梶棒をあげて荷車の後を地へつけて徐にくだる...
長塚節 「松蟲草」
...梶棒(かじぼう)が下りるとき黒い影が急に明かるくなって...
夏目漱石 「虞美人草」
...わざわざ三条へ梶棒(かじぼう)を卸(おろ)して...
夏目漱石 「虞美人草」
...此所(ここ)だ此所だと梶棒(かじぼう)を下(おろ)さした声は慥(たし)かに三年前(ぜん)分れた時そっくりである...
夏目漱石 「それから」
...しだいに梶棒が地面をはなれ出し...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...車夫は又梶棒を握つた...
眞山青果 「茗荷畠」
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