...また跡にもどりて梶棒を押えんとするを車上の人は手にて押し止め...
饗庭篁村 「良夜」
...泰さんの家の門口へやっと梶棒を下した時には...
芥川龍之介 「妖婆」
...ふと車が停(と)まって梶棒(かじぼう)がおろされたので葉子ははっと夢心地(ごこち)からわれに返った...
有島武郎 「或る女」
...車夫は葉子を助けようにも梶棒(かじぼう)を離れれば車をけし飛ばされるので...
有島武郎 「或る女」
...梶棒(かじぼう)の上ると共に互に黙礼を換(かわ)して訣(わか)れた...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...其の中の一軒の大黒屋といふうちに車屋は梶棒を下ろした...
高浜虚子 「斑鳩物語」
...凡そ一時間近くも乘つたらうと思ふ時車夫は梶棒を握つたまゝ立留まつて「武島町三番地といひましたね」と聞く...
高濱虚子 「俳諧師」
...首ったけになっちまった――馬車の梶棒が...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「熊」
...それに嵌(は)め込んである重々しい梶棒(かじぼう)と...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...大八車の梶棒にしがみついた精悍(せいかん)なる小冠者とが...
中里介山 「大菩薩峠」
...女は荷車の梶棒を高くあげて荷車へ載た箱から何かごろ/\と轉がし出した...
長塚節 「白甜瓜」
...玄関の松の根際に梶棒(かじぼう)を上げた一挺は...
夏目漱石 「虞美人草」
...梶棒(かじぼう)はすでに玄関に横付(よこづけ)になっていた...
夏目漱石 「行人」
...やがて車夫が梶棒(かじぼう)を下(おろ)した...
夏目漱石 「初秋の一日」
...車夫は梶棒(かじぼう)を上げながら...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...しだいに梶棒が地面をはなれ出し...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...車夫は返詞をせずに梶棒(かじぼう)を上げた...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...仲町の方へ梶棒を向けた...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
便利!手書き漢字入力検索