...母が襟飾(ネクタイ)を結んだり頭髪(かみ)を梳(す)いてくれるのさえも待ち切れずに...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...睡り少うして偏(ひと)へに夜漏(やろう)の長きを知る」「二毛暁に落ちて頭を梳(くしけづ)ること懶(ものう)し...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...梳櫛(すきぐし)を入れて雲脂(ふけ)を取ってもらっているところへ...
徳田秋声 「縮図」
...14日のあいだ顔を洗ったり自分で梳ってはいけない...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...この櫛(くし)に見覚えがあるだろうな」平次は例の髪の毛を巻いた梳(す)き櫛を出して見せると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...小型の黄楊(つげ)の梳(す)き櫛(ぐし)を一つ出して見せました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...むこうは二百三百という下っ引を追いまわし網の目を梳(す)くように洗い立てております...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...櫛を取出して念入りに髪を梳きつけていたが...
久生十蘭 「魔都」
...髪を梳(くしけず)り置きしに...
福田英子 「妾の半生涯」
...私の髮を梳づる爲めに櫛や刷毛(はけ)も置いてあつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...梳櫛を片手に髪結馭者のやう古蝶馬鹿の骨頂は夫人が鳥を撃ち同飛乗の首尾よく下駄の先を見る同心待ちオートバイかと振返り同赤坂にやがて停職される客同女優髷あまり美人の結はぬもの同洋楽で夜は悩ませる学校出同香取屋がどうのと鼻緒付を買ひ同お仕度を留場は海老の腰で聞き同稽古所で跡見の服が安く見え同第八句の「香取屋は」浅草橋附近にあつた高級の下駄屋で...
正岡容 「大正東京錦絵」
...しかもその髪はよく梳(す)くこともされないで...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...この部落では梳櫛(すきぐし)の色附(いろつけ)に昔から尿を使うといわれる...
柳宗悦 「全羅紀行」
...南鮮沿海を櫛の歯で梳(す)くように一掃してもらう事になった...
夢野久作 「爆弾太平記」
...掃除婦が鏡に向ってひとり髪を梳いている閑そうな姿の上に電灯がついていた...
横光利一 「旅愁」
...指で梳(す)いても梳ききれない...
吉川英治 「新・水滸伝」
...黄楊(つげ)の荒歯(あらは)でざっと梳(と)いて...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...梳(な)であげる鬢(びん)の毛に肱(ひじ)を白く...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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