...その耳まで裂けるといふ梳櫛の然もそれが燃えるやうな朱塗であつた...
泉鏡花 「遺稿」
...不吉な輪を作って梳(す)き残されておりました……...
大阪圭吉 「幽霊妻」
...「すぐそれは下しますよ」と細君は空梳きを終つた髪をだらりと後に垂らして其金盥を取りに來る...
高濱虚子 「俳諧師」
...小型の黄楊(つげ)の梳(す)き櫛(ぐし)を一つ出して見せました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...女の髪の毛を梳き込むとかと聞いております...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...ちびた鬣(たてがみ)は丁寧に梳かれ...
久生十蘭 「キャラコさん」
...櫛を取出して念入りに髪を梳きつけていたが...
久生十蘭 「魔都」
...髪を梳(す)く櫛の...
火野葦平 「花と龍」
...母は麻梳(グレーベニ)の前で長い長い絲を手繰りだしながら...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...熱湯のふつふつ涌き上る浴室で朝の髪を梳いてゐる豊かな肉体を讃美する作で...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...梳(くしけづ)らない毛髮や不恰好に結んだネクタイや惡い顏色などのなかに...
堀辰雄 「聖家族」
...その粘汁を水に浸出せしめて頭髪を梳ずるに利用したからである...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...昔はたまにより見ることのなかった年のいった尼梳(あます)きの額に...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
......
横瀬夜雨 「花守」
...参木は高重につれられて梳棉部(カード)から練条部(ドローイング)へ廻って来た...
横光利一 「上海」
...寝ざめのくろ髪をいかに梳(す)くらん...
吉川英治 「新書太閤記」
...埃(ほこり)にまみれた髪を梳(す)き...
吉川英治 「親鸞」
...忙しげに自分で髪を梳き...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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