...その梢(こずゑ)には石英(せきえい)のやうに...
芥川龍之介 「支那の画」
...そこへ松の梢から雀が何羽も舞ひ下つて来た...
芥川龍之介 「歯車」
...山々の喬木(たかきき)も春二月のころは雪に埋(うづま)りたるが梢(こずゑ)の雪は稍(やゝ)消(きえ)て遠目(とほめ)にも見ゆる也...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...そこらの果樹の高い梢の上に心を配り...
薄田泣菫 「独楽園」
...梢にまだたくさん残っていた...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...塀の上に伸び出てる桜の梢が見えていた...
豊島与志雄 「白血球」
...風が梢を渡って、葉ずれの音がした...
直木三十五 「南国太平記」
...枯れた梢の間(あいだ)から見通される...
永井荷風 「狐」
...見上げる栗の大樹の梢にたかっている一群の動物は猿であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...やや下ったところの飯綱権現の境内の杉の大木の梢では...
中里介山 「大菩薩峠」
...庭におりて見ると杉の梢にも蜻蛉の羽がきら/\と光つて見えた...
長塚節 「隣室の客」
...きまって夜の八時か九時頃になると合歓の木の梢(こずえ)をとおして円(まる)みのある男の声がひびいて来ていた...
林芙美子 「落合町山川記」
...三番目の酒蔵の塀側に亭々と聳えてゐる樅の梢を指差して...
牧野信一 「酒盗人」
...杉の梢(こずえ)から...
山本周五郎 「山彦乙女」
...猿の群れは梢を下りて焚火の周囲に集ってきた...
横光利一 「日輪」
...桃園の梢の湖(うみ)を...
吉川英治 「三国志」
...やがて樹々の梢(こずえ)を渡って躁(さわ)ぎだした...
吉川英治 「宮本武蔵」
...梢を抑えるべきものではない...
和辻哲郎 「城」
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