...おなじ梢に飛びかひぬともいひつべし...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...濡々と森の梢(こずえ)を潜(くぐ)って...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...頬白(ほゝじろ)がいゝ声で近くの松の梢に囀(さへ)づつてゐた...
相馬泰三 「夢」
...それから振りかえって楓の梢にむらがる烏を見上げ...
太宰治 「竹青」
...もちろん末梢(まっしょう)神経の打算なら...
徳田秋声 「仮装人物」
...杉の梢の間に立ち迷うて西へ流れています...
中里介山 「大菩薩峠」
...悪木(あくぼく)の梢にも情けの露は宿ると申しまして...
中里介山 「大菩薩峠」
...大騷動でその包みを梢からおろすと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...遲(おく)れ咲(ざき)の花(はな)も梢(こづゑ)にしぼむ頃(ころ)なれど...
樋口一葉 「われから」
...七忍(しのぶ)が岡(おか)と太郎稲荷(いなり)の森の梢には朝陽(あさひ)が際立ッて映(あた)ッている...
広津柳浪 「今戸心中」
...三番目の酒蔵の塀側に亭々と聳えてゐる樅の梢を指差して...
牧野信一 「酒盗人」
...梢の下にただずむと...
牧野信一 「肉桂樹」
...早春新葉に先だちて枝梢に雌雄花を着ける...
牧野富太郎 「植物記」
...もうひとつまた別の一羽はさらにさらに高い梢へ飛んで行くと...
正岡容 「小説 圓朝」
...櫻の梢は立派な寄木を遠い南の空に組み上げ私はたばこよりも寂しく煙る地平線にかすかな泪をながす...
宮澤賢治 「うろこ雲」
...渦は猶無心にまきつづけ梢は猶影をふれ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...これで私の長い長い詩はおしまいよエピローグ私は祈ります深い冬の空に向ってどうぞ私から希望をとりあげないで下さい私の合わせた掌がすこし揺れる竹藪の竹の梢もすこし揺れる杉の梢と椎の梢がかすかに揺れるそれがみんな冬の陽に静かに光りつつ祈っています合掌して祈りながら空に向って揺れています...
三好十郎 「詩劇 水仙と木魚」
...若枝や梢のほうにふくらんでいた蕾が...
山本周五郎 「日本婦道記」
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