...濕める梔子(くちなし)の別れのゆふべ泣き濡れしあえかの胸に...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...黒焦げになった屍体は梔子(くちなし)の花散るウベニア丘の墓地に...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...そして亭主と三人梔子(くちなし)の花なぞの咲いた静かな庭を眺めながら...
橘外男 「逗子物語」
...または植込のかげの梔子(くちなし)の実に...
永井荷風 「写況雑記」
...夜梔子の実を煮、その汁にて原稿用罫紙十帖ほど摺る...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...梔子(くちなし)木犀(もくせい)枳殻(たちから)の葉を食うものは毛なくして角あり...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...梔子(くちなし)だといつた...
原民喜 「壊滅の序曲」
...薄い梔子(くちなし)色の麻のタイユウルの胸の襞のようなものは...
久生十蘭 「黄泉から」
...麻布市兵衛町なるわが石田家の庭は、『名園図鑑』にも載った風雅な茶庭で、小径づくりの飛石のそこここに、鉄線、うずら梅、馬酔木、どうだん、山茶花などのつくりものを目だたぬように植えこみ、藪蔭の思いがけないところに、梔子や橘の蕾が、明日あたりは咲く、ゆたかなふくらみを見せていたりする...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...一週間ばかり前に山梔子(くちなし)孃からいただいた手紙で知つては居ました...
堀辰雄 「七つの手紙」
...上原の妻は偶山梔子(くちなし)の飯を炊(かし)いでゐたので...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...木刀で山梔(くちなし)の枝を敲(たゝ)き折つた...
森鴎外 「津下四郎左衛門」
...隅が枯れた梔子(くちなし)の花びらのような色になり捲くれている...
山川方夫 「演技の果て」
...「その山梔子の樹は名前を『口なし』と書くので...
夢野久作 「オシャベリ姫」
...それはマン丸く茂った山梔木(くちなし)の根方の...
夢野久作 「巡査辞職」
...そこから梔子の枝越しに...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...あはれこの梔花色(くちなしいろ)の明りこそ咲く花の如(ごと)き命を包む想像の狭霧(さぎり)なれ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...そしてその下草にところ/″\山梔子(くちなし)が咲いてゐた...
若山牧水 「梅雨紀行」
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