...夕方になるとボイラーから排出される多量な温湯が庭の隅の風呂桶(ふろおけ)へ引かれて...
海野十三 「白蛇の死」
...死体のなくなって空っぽになった棺桶だけであった...
海野十三 「超人間X号」
...僕は風呂桶の中に立っているのだ...
太宰治 「正義と微笑」
...私の眼の迷いでも何でもなく確かにあの老爺は閼伽桶を手にしていたにもかかわらず...
橘外男 「逗子物語」
...ボールを洗う四角な水桶の中に入れておいて...
寺田寅彦 「ゴルフ随行記」
...政府で歳入の帳尻(ちょうじり)を合わせるために無茶苦茶にこの材木の使用を宣伝し奨励して棺桶(かんおけ)などにまでこの良材を使わせたせいだといううわさもある...
寺田寅彦 「災難雑考」
...玉川上水の分流(わかれ)で、品川方面の灌漑専用(くわんがいせんよう)の水だが、附近(あたり)の村人は朝々(あさ/\)顔(かほ)も洗へば、襁褓(おしめ)の洗濯もする、肥桶も洗ふ...
徳冨盧花 「水汲み」
...この色彩は画面を洗ひし水桶(みずおけ)の底に沈澱(ちんでん)したる絵具を以て塗りたる色の如くむしろ色と呼ばんよりは色なる感念(かんねん)を誘起せしむる色づきし雲の影とやいはん...
永井荷風 「江戸芸術論」
...米友の隠れている天水桶の前を...
中里介山 「大菩薩峠」
...右(みぎ)の手(て)を前(まへ)の手桶(てをけ)の柄(え)へ左(ひだり)の手(て)を後(うしろ)の手桶(てをけ)の柄(え)へ掛(か)けて注意(ちうい)しつゝおりた...
長塚節 「土」
...要(え)らねえよ」おつぎは少(すこ)し身(み)を屈(かが)めて手桶(てをけ)の柄(え)を攫(つか)んで其(そ)の儘(まゝ)身(み)を延(のば)すと手桶(てをけ)の底(そこ)が三寸(ずん)ばかり地(ち)を離(はな)れた...
長塚節 「土」
...早桶の蓋(ふた)を払って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...水桶に水を一ぱい張って浮かせてみよ...
ジョナサン・スイフト Jonathan Swift 原民喜訳 「ガリバー旅行記」
...一人が桶から水を掬ってぶっかければ...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「墓地へゆく道」
...中村勇左衛門即ち今弘前桶屋町(おけやまち)にいる範一(はんいち)さんの妻で...
森鴎外 「渋江抽斎」
...酒石が凝って桶になって...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...背に漆桶(うるしおけ)をつけて...
吉川英治 「新書太閤記」
...それが誰からともなく伝わると、そこらの路次の蔭、天水桶の蔭、土蔵の横などから、こうもりのような黒い姿がうごめきだして、しきりに四国屋の裏や寮の辺へかけて、ひそかな跳躍をしはじめた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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