...しかしこの浮き桟橋の上に川蒸汽を待っている人々は大抵大川よりも保守的である...
芥川龍之介 「本所両国」
...田川は桟橋のほうに気を取られて急ぎ足で手欄(てすり)のほうに歩いていたが...
有島武郎 「或る女」
...「どうか桟橋まで見てやってくださいましね...
有島武郎 「或る女」
...あれが桟橋(さんばし)だな」それは二...
海野十三 「怪星ガン」
...唐桟、角帯、紺の腹掛、白線の制帽、白手袋、もはや収拾つかないごたごたの満艦飾(まんかんしょく)です...
太宰治 「おしゃれ童子」
...その後杜陽は桟道を通ったことがあったが...
田中貢太郎 「陳宝祠」
...私もあの唐桟の着物をほどき...
辻村もと子 「早春箋」
...あの桟敷(ボックス)の一件が大成功で...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...大八車の桟(さん)を後ろから引っぱって...
中里介山 「大菩薩峠」
...唐紙にはいちいち桟(さん)がおろしてある」「ともかく...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...恐ろしい相手だ」「どんなことをやらかしゃいいんで?」「お前はあの時桟敷(さじき)の上に居た人間に逢って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ごみごみした、玩具箱(おもちやばこ)をひつくり返したやうな、桟橋が、遠くなるまで、切れたテープを、富岡は頭の上で振つてゐた...
林芙美子 「浮雲」
...桟橋まで、「なんでも屋」と、「ノロ甚」とが来ただけである...
火野葦平 「花と龍」
...金比羅山(こんぴらやま)から、岬(はな)の山、桟橋、眺めりゃ、岡蒸気(おかじょうき)が、ピイ……まるで、申しあわせたかのように、眼下の鉄道桟橋のうえを走る汽車が、ピイッと、汽笛を鳴らしたので、どっと、拍手と笑い声とが起った...
火野葦平 「花と龍」
...東の桟敷(さじき)に...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...どうかすると唐桟(とうざん)か何かを着て前掛をしているのを見ることがあった...
森鴎外 「雁」
...下関の桟橋へ着いた七千噸(トン)級の関釜(かんぷ)連絡船...
夢野久作 「人間レコード」
...久し振りで高と会ったのだから彼の桟敷へ一緒に行ったにちがいないが...
横光利一 「旅愁」
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