...柵と桜樹の間には一条の浅い溝があつて...
石川啄木 「葬列」
...等にある殆(ほとん)ど一つ一つの桜樹の前に立ち止って歎息し...
谷崎潤一郎 「細雪」
...庭内にはわざと一本の桜樹をも植えず...
谷崎潤一郎 「細雪」
...数株の蒼松(そうしょう)は、桜樹に接して、その墓門を護し、一個の花崗石(かこうせき)の鳥居は、「王政一新之歳、大江孝允(おおえたかよし)」の字を刻して、長(とこし)えに無韻(むいん)の悼歌(とうか)を伝う...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...花の咲いた桜樹(おうじゅ)...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...「東台ノ一山処トシテ桜樹ナラザルハ無シ...
永井荷風 「上野」
...今年花また開くの好時節に際し都下の或(ある)新聞紙は上(ぼくじょう)の桜樹(おうじゅ)漸(ようや)く枯死(こし)するもの多きを説く...
永井荷風 「すみだ川」
...二年の頃隅田堤の桜樹は枕橋より遠く梅若塚のあたりまで間隙(かんげき)なく列植されていたので...
永井荷風 「向嶋」
...碑文の撰者浜村蔵六の言う所に従えば幕府が始(はじめ)て隅田堤に桜樹を植えさせたのは享保二年である...
永井荷風 「向嶋」
...以後向島居住の有志者は常に桜樹の培養を怠らず...
永井荷風 「向嶋」
...浜村蔵六が植桜之碑には堤上桜樹の生命は大抵人間と同じであるが故に絶えずこれが補植に力を竭(つく)さなければならぬと言われている...
永井荷風 「向嶋」
...三代将軍家光お手植桜樹高――三十二尺...
中里介山 「武州喜多院」
...例の長(たけ)の低い桜樹(さくら)にかこまれた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...加うるに二六時中四方の工場の煙突より吐き出ずる煙のためにその枝幹は黒く塗抹せられその葉面は黒煤を被ぶり為めにその桜樹の生気が断えず害せらるるので...
牧野富太郎 「植物記」
...若き桜樹はいまも尚春くる毎に花咲けりときく...
室生犀星 「抒情小曲集」
...桜樹三四丁の列樹なり...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...桜樹の多い所でござります」「よしよし...
吉川英治 「江戸三国志」
...その故事になぞらえて、何者かが、後醍醐のきみを勾践に、自分を范蠡に擬(ぎ)して、この桜樹の幹へ、心を託し去ったものにちがいない」忠顕と行房は、眼と眼を見あわせた...
吉川英治 「私本太平記」
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