...立ち騒ぐ葦の底に残っている畦の跡や枯れ桑だけである...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...頭をさしのべて高いところの葉を引き曲げ蚕(かいこ)が桑を食うと同じようにして片はしから貪り食うていた...
寺田寅彦 「小さな出来事」
...この様子に桑田は何といふ快活な...
永井壮吉 「人妻」
...」桑田はまたもや梯子段へ片足踏みかけやうとすると...
永井壮吉 「人妻」
...佐渡といふ所は氣候がいゝ上に桑が自然に生えて居るのだけれど惜しいことに養蠶に熱心するものがない...
長塚節 「佐渡が島」
...夫(そ)れから方向を転じて桑港(サンフランシスコ)の義勇兵に持込(もちこ)んで...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...桑野桃華の「水のながれ」を読み出す...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...鵙は止り木に縛つて桑畑の縁に立て...
牧野信一 「剥製」
...例の俗仙人内田百間とロシア語の米川正夫とが桑原会というのを宮城道雄のところで開き...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...又ケイオーの桑原さんから眼の疲れを守る薬をもらって...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...犀川の上流の大桑の淵に...
室生犀星 「幼年時代」
...伊達桑折の宿(しゅく)で面会を求めて...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...楼桑村も例にもれず...
吉川英治 「三国志」
...柴桑(さいそう)に船をよせて一泊したついでに...
吉川英治 「三国志」
...その元気な顔いろに、供の佐屋桑十は、さては竹中半兵衛殿とよいお話になったに違いない、と察してともどもよろこんでいた...
吉川英治 「新書太閤記」
...あの智者――武勇もある一益が、桑名、蟹江(かにえ)の二城の兵力で、伊勢の北八郡、南五郡の北畠の大軍と対峙(たいじ)するので、もう支えきれぬと、悲鳴をあげての矢の催促だ」「ははは...
吉川英治 「新書太閤記」
...滝川の本城桑名はなお陥ちていないし...
吉川英治 「新書太閤記」
...二三人の百姓しか通らぬ桃畑の畔にも桑畑の畔にもいつぱいに生えて居る...
若山牧水 「家のめぐり」
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