...「ここに密告状が来ている」総監は桐函(きりばこ)の蓋をとって捜査課長の前に押しやった...
海野十三 「地中魔」
...夕闇の中に桐の黄葉がカサカサと鳴っていた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...椏(みつまた)や山桐や桑や...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...間もなく碧梧桐君もその岩に掻(か)き上ってしまって最後には余一人取り残された...
高浜虚子 「子規居士と余」
...飄亭の二君は相ついで吉田の虚桐庵またの名双松庵を訪問した...
高浜虚子 「子規居士と余」
...居士は一夕碧梧桐君と余とを携えてそこに別離を叙し別るるに臨んで一封の書物(かきもの)を余らに渡した...
高浜虚子 「子規居士と余」
...史記の五帝本紀には黄帝の時代として「東至于海……西至于空桐……南至于江……北合符釜山」と云うて居り...
内藤湖南 「禹貢製作の時代」
...縮緬(ちりめん)に桐に唐草(からくさ)の繍(ぬい)のある見事なものでありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...廂の上に立つた桐の木へ啄木鳥が一羽飛んで来た...
長塚節 「隣室の客」
...桐の空箱の行方もそれつ切りわかりません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...桐の菓子箱のこわれは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...桐油を引き(むし)られて襟髪を掴まれたまま...
野村胡堂 「芳年写生帖」
...同じく依頼によって「桐壺」の巻を書写せる際などは...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...○台南市桐骨董(こっとう)店にて清(しん)末頃の赤絵の皿を見て勿論こういうものは万暦(まんれき)や天啓(てんけい)の赤絵に比べると落ちるが...
柳宗悦 「台湾の民藝について」
...五桐火鉢と呼ばれるのであり...
山本周五郎 「ちゃん」
...それから弁護士を除いた三人で桐ヶ谷の火葬場にタクシーを乗付け...
夢野久作 「二重心臓」
...この桐山の小六にたいして...
吉川英治 「私本太平記」
...城下代官と町奉行を兼ねている桐井角兵衛(きりいかくべえ)の役宅だ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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