...誰もあの壁側(かべぎは)に積んだ三十ばかりの総桐の箱には眼もやらなかつたのでございます...
芥川龍之介 「雛」
...桐の苗を澤山植ゑつけたことがある...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...それにつけても片桐いち(市)のかみ(正)どのはあのしろぜめに関とう方の味方をなされ...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...庭の桐(きり)の葉も脆(もろ)くも落ちた...
田山花袋 「蒲団」
...桐(きり)の箪笥(たんす)とが三棹(みさお)も並んでいて...
徳田秋声 「仮装人物」
...五七の桐を漉き込んだ五十枚だから...
豊島与志雄 「未来の天才」
...これから月心院へ引上げよう」菊桐の紋のついたのがこう言って...
中里介山 「大菩薩峠」
...手紙を書いてさえ行き詰まるときっとこの梧桐を見る...
夏目漱石 「野分」
...三坪ほどの荒庭(あれにわ)に見るべきものは一本の梧桐を除いてはほかに何にもない...
夏目漱石 「野分」
...空には桐の花の咲く日であつた...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...「人生サーカス」「桐の木横町」を読んでしまひ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...五月雨や木曾は一段の碓氷嶽 碧梧桐上野より汽車にて横川に行く...
正岡子規 「かけはしの記」
...余はどうしても俳句として採ることが出来ぬと思ふやうな句をいつでも碧梧桐が採るといふ事を知つて居る...
正岡子規 「病牀六尺」
...西教寺の門前を過ぎて右に桐(きり)の花の咲く寄宿舎の横手を見つつ行けば...
森鴎外 「細木香以」
...桐の家具は日本好みの出たものでありますから...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...(順序不同)牟田口利彦(旧姓梅津)、野中到、隈本有尚、中江三次、宇佐元緒、松本健次郎、加野宗三郎、佐藤文次郎、堺仙吉、一田彦次、藤原宏樹、古賀得四郎、柴藤精蔵、小田部正二郎、筆者(以上仕手(して)方)安川敬一郎、古賀幸吉、今石作次郎、金内吉平(以上囃子(はやし)方)小嶺武雄、宮野儀助(以上狂言方)その他故人となった人々では(順序不同)、間辺――、梅津正保、山本毎、梅津朔造、同昌吉、桐山孫次郎、川端久五郎、上原貢、戸川槌太郎、小山筧、中江正義、粟生弘、沢木重武、斎田惟成、中尾庸吉、石橋勇三郎、上村又次郎、斉村霞栖、大賀小次郎、吉本董三、白木半次郎、大野仁平、同徳太郎、河村武友、林直規、尾崎臻、鬼木栄二郎、上野太四郎、船津権平、岩佐専太郎、杉山灌園(以上仕手、脇方...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...桐の紋のついた陣羽織があったので...
吉川英治 「新書太閤記」
...桐の間などがあるこの一層は...
吉川英治 「新書太閤記」
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