...案に相違していやな山だったら...
石川欣一 「可愛い山」
...案に相違して剣もほろろのあいさつである...
井上貞治郎 「私の履歴書」
...中へはいってみると案に相違して何もこれというほどの観ごたえのあるものがなかった...
上村松園 「余齢初旅」
...案に相違して極めて平板な不徹底な家常茶飯的葛藤しか描かれていなかったのは畢竟(ひっきょう)作者の根本の芸術的興味が去ってしまったからであろう...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...しかし帳場では案に相違して...
海野十三 「蠅男」
......
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...庸三は案に相違して...
徳田秋声 「仮装人物」
...さうしたらおちやんはさも軽蔑したらしく「びりつこけなんぞと遊ばない」といつてさつさとはひつてしまつたので案に相違してすごすご家へ帰り伯母さんにそれをいつけた...
中勘助 「銀の匙」
...案に相違して健三は頑強(がんきょう)であった...
夏目漱石 「道草」
...座に着いたお秀が案に相違していつもより愛嬌(あいきょう)の好い挨拶(あいさつ)をした時には...
夏目漱石 「明暗」
...案に相違して碌(ろく)なものはやって来なかったので...
夢野久作 「暗黒公使」
...……ですから卒業論文なぞも無論、その頃まで学術用語と称せられていた独逸(ドイツ)語で書かれている事と期待されておりましたのに、案に相違して、その頃まではまだ普及されていなかった言文一致体の、しかも、俗語や方言混(まじ)りで書いてあるのでした...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...これが又案に相違して...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...どんな問罪を受けるかと、覚悟してきて見ると、案に相違して、黄金十斤(きん)、錦二十匹を賜わった上、董卓の口から、「きのうは、病のせいか、癇癖(かんぺき)を起して、そちを罵(ののし)ったが、わしは何ものよりも、そちを力にしておるのだ...
吉川英治 「三国志」
...――李儒っ、そちは自分の妻を呂布にやるかっ」李儒は、案に相違して、唖然としてしまった...
吉川英治 「三国志」
...それまで、逃げ足立っていた敵が、案に相違して、張飛と共に、俄然攻勢に転じてきたので、要心深い劉岱は、「これは怪訝(いぶか)しい」とあわてて、味方の陣門へ引っ返そうとしたところ、時すでに遅かった...
吉川英治 「三国志」
...ところが案に相違して...
吉川英治 「三国志」
...母が助太刀して取らす、負くるな」――窓口から待てという言葉だったので、武蔵は必ずや老母がこれへ来て、額(ひたい)を地にすりつけて、わが子の助命を乞うのかと思っていたところ、案に相違して、九死一生の淵にある息子を励まし、なお戦おうというつもりらしい...
吉川英治 「宮本武蔵」
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